投稿

4月, 2017の投稿を表示しています

■GINZA SIX、ギンザシックス

■建築主:銀座6丁目組合,設計:谷口吉生,施工:鹿島建設 ■今月20日に開業したギンザシックスへ行ってきたの。 四丁目交差点から歩きながら見るボリウム感たっぷりの直方体ビルは地味に感じる。 装飾もあまり目立たない。 建築家谷口吉生によるファサードデザインで「ひさし」と「のれん」がモチーフらしい。 なぜSIXなのか? それは中央通りに面したラグジュアリ・ブランドが6店だからよ、多分ね。  店内も重量級ね。 3階から5階は吹き抜けで圧迫感は減るけど旗艦店が多いから豪華さの中にも緊張感がある。 開業を盛り立てるウォールアートはどれも銀座を意識している。 その中で草間彌生の風船は軽さがあってホットするわね。 オープン直後で混んでいるからざっと見るしかない。 6階蔦屋書店に芸術書が一杯置いてあることは覚えておくわね。 レストランも重い。 胃にもたれそう。 7階から12階はオフィスよ。 でもエントランスを探したけどわからなかった。 13階はレストランで屋上はガーデン。 ガーデンは一周できるのがいいわね。 屋上からの景色はダメ。 有楽町や銀座周辺からみる遠景は鈍いのよ。 帰り際に地下のビューティとフーズを回る。 店数は程々だけど質はそろっている。 地下3階の観世能楽堂は寄らなかったけど渋谷のほうが落ち着けそう。 寄り道できる場所が一つふえたのは嬉しい。 買い物は本命の一つに加えてもいいかもね。 *ギンザシックスサイト、 https://ginza6.tokyo/

■ブリューゲル「バベルの塔」展、ボイマンス美術館所蔵

■東京都美術館,2017.4.18-7.2 ■じっくり見てきました。 単眼鏡は必須です。 特に右下の多くの船が並ぶ港風景は素晴らしい。 海の水も生き生きしています。 水質さえも感じ取れる。 小さな人や動物がとても立体的に描かれている。 このため俯瞰度が増します。 それと工事現場の建設機械の仕組みを知ったのも初めてです。 今回は芸大が制作した拡大複製画が役にたちました。 この複製画で確認して本物を改めてみる。  ボイマンス美術館は行ったことがない。 初期ネーデルランド美術が専門と書いてあったが日本で言えば室町から安土桃山時代ですか。 当時のイタリア美術の違いも意識しながら全体をみてきました。 そしてヒエロニムス・ボスの模倣の多さから彼の影響度が窺えます。 2枚は嬉しいおまけですね。  *展示会サイト、 http://babel2017.jp/

■坂茂、プロジェクツ・イン・プログレス

■ギャラリー間,2017.4.19-7.16 ■この春、パリ郊外セーヌ川の中州セガン島にオープンした「ラ・セーヌ・ミュジカル」の建築展である。 川に浮かんだ建物の写真や映像を見ると大きなレーダ格納庫を持った南極観測船を思い出してしまった。 レーダの球形には音楽ホールが入っている。 その続きは横浜大桟橋のような芝生で覆われたなだらかな丘になっているが、その下もホールになっている。 なかなか壮観である。   坂茂(ばんしげる)は木材や紙を使った建築で有名だがこのミュジカルも一部に使われている。 建築物は重量がある。 木材も軽くはない。 ここで紙を使い一気に軽量にする発想は面白い。 例えばハニカム構造紙の回りを板で囲み木材として使用する。 施工作業が容易になるメリットは大きい。 現在進行中の他建築物も展示されているが木と紙を使った作品が多い。 すべてが木と紙ならわかるがしかし、鉄筋も混ぜた建物は鉄筋が勝ってしまい木や紙は装飾の役割しか持たないのでは? 寿命も違うので管理も大変だとおもう。 会場を回りながらいくつか疑問を持ったが今も未決である。 それでも木や紙は違和感が無い。 やはり昔からの日本建築の主材料だからだろう。   *館サイト、 http://www.toto.co.jp/gallerma/ex170419/index.htm

■日本、家の列島-フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン-

■汐留ミュージアム,2017.4.8-6.25 ■フランスの建築家・写真家4人が日本で見つけた個人住宅の欧州巡回帰国展です。 1章「昨日の家」は有名建築家作品14点を写真と平面図と解説でまとめています。 建築家は知っているが14点中8作品、A・レーモンド、前川國男、清家清、吉田五十八、篠原一男、坂本一成、伊藤豊雄、山本理顕は初めて知る建物です。 やはり個人住宅はみる機会が少ない。 この中で気に入ったのが山本理顕「山川山荘」(1977年)。 一つ一つの部屋を独立させ屋根だけを上から被せている。 部屋から部屋に行くには外に出なければいけない。 実生活を想像しながらみると色々考えさせられます。  2章「今の家」は現存する個人住宅20作品の模型と映像、住人の感想で構成されています。 映像は約2分で実際に生活しているところを撮っている。 気に入った家はありませんでした。 ナゼなのか?企画者のインタビュ映像を見て分かりました。 「境界が曖昧」「身体と自然が密接」など日本文化の特徴ありきで選んだ家だからです。 真冬に住人が震えている吹き抜けの有る部屋、布団を干すのに屋上まで登る家、会話もできないような狭くて長い居間、梯子を上り下りする家・・。 住み心地の悪い家ばかりです。 多くが冷暖房の電気代で目玉が飛び出ることでしょう。 3章「東京の家」は写真だけが36枚並んでいる。 これはチラッと見ただけです。 フランスでは建築家が個人住宅をつくることはないそうです。 副題にもあるように4人が驚いたのは変わった家ばかりを選んだ為だと思います。 普通の家を選んでも別の意味で驚くのが日本の個人住宅の「凄さ」かもしれません。 *館サイト、 https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/17/170408/index.html

■メットガラ、ドレスをまとった美術館

■監督:A・ロッシ,出演:A・ウィンタ,A・ボルトン,W・カウァイ,J・ガリアーノ,J=P・ゴルチェ,K・ラガーフェルド ■新宿シネマカリテ,2017.4.15-(2016年作品) ■2015年METGALAの企画から開催までの8か月間を追うドキュメンタリー映画よ。 メトロポリタン美術館とファッション関係者が協力してパーティと美術展を開催し寄付などを募るイベントなの。 この年のテーマは「鏡の中の中国」、因みに2016年は「手仕事と機械」、2017年「コムデギャルソン」の川久保玲と続く。 主人公は美術館服飾部門キュレータのアンドリュ・ボルトン。 それとヴォーグの組織力を使ってパーティを成功に導くアナ・ウィンタ。 パーティは1席2.5万$で600席が即満席! ウーン、さすがアナ。 彼女が席順で悩む場面は見どころね。 でもコーヒーは飲み過ぎよ。 かつテーマが中国だから政治的緊張感も出ている。 テーマについてはもっと聞きたかったけど、キュレータの忙しさがそれを許さない。 ドキュメンタリーとして深みに欠けたのは主人公が二人になってしまったからだとおもう。 監督はアンドリュよりアンに比重をかけたい。 展示よりパーティね。 レッドカーペットを歩くパーティ出席者たちの華麗な姿は誰もが満足するからよ。 美術展は実際に行って観るしかない。 お疲れさま、アンドリュ! *作品サイト、 http://metgala-movie.com/

■片山正通的百科全書  ■ブラック&ホワイト|色いろいろ  ■田中彰

■東京オペラシティアートギャラリ,2017.4.8-6.25 ■片山正通的百科全書 ■会場に入ると株式会社ワンダーウォール建屋模型が映像と共に置いてあります。 次の書籍とCDが一杯の棚そのままの展示をみて、会社=仕事より彼の趣味で集めたコレクション展だと分かります。 作品はどれも一筋縄ではいかない。 先へ進むと絵画彫刻写真から家具そしてシロクマくんまでいる。 チラシにもあるようにヴンダーカンマを意識してる。 万華鏡のような光景が楽しいですね。 しかし展示品は社内の多くの部屋を飾っているものだと知りました。 美術館隣の書店には彼のインテリアデザイナーとしての成果物が置いてあります。 たとえばユニクロ、ユナイテッドアローズ、トヨタレクサス・・などなど。 どれも整然さを持っていますね。 とても機能的にみえる。 彼のブランディンング・スペース・コンセプトが世界で支持されている理由が分かる気がします。 でも展示作品と仕事との繋がりはやはり見えない。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh196/ ■ブラック&ホワイト|色いろいろ ■多くは初めての作品なので楽しめました。 いつも40人近い作家が登場するので飽きが来ない。 加納光於「まなざし」シリーズの絵具の引き延ばし方法は瀧口修造もインクで実験していたのですね。 田中清光も同じような手法を採っています。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh197.php ■田中彰 ■木版画のようですが縄文人が土器を造った時のおまけのような作品にみえました。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh198.php

■これぞ暁斎!ゴールドマン・コレクション

■Bunkamura・ザミュージアム,2017.2.23-4.16 ■これだけの暁斎をまとめて観るのは初めてかもしれない。 やはり彼の作品は漫画に近い。 今なら週刊誌や新聞の連載や挿絵、子供から大人まで、宗教からエロまで一手に引き受けているはず。 手塚治虫が生涯描いた原稿枚数は10万枚と聞いている。 暁斎も結構な枚数だろう。 時代が違ってもデキル漫画家の資質は変わらない。 イスラエル・ゴールドマンとはどういう人なのだろう? イスラエルの富豪家? 序章「出会い」をみると動物や魚、両生類などを描いた作品が並ぶ。 彼は生き物をどのようにみていたのだろうか?  彼が言う「半身達磨」の質の高さとは何か? 副題にある「画力」という言葉は暁斎に似合う。 前回は「画鬼」だった*1。 彼も鬼力を持つ画に圧倒されたのかもしれない。 *1、 「画鬼暁斎,幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」(三菱一号館,2015年) *館サイト、 http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/ *追記、美術館7階の本屋に立ち寄る。 ここで「美術とおカネ全解剖、アートの裏側全部見せます」(週刊ダイヤモンド)を買う。 美術系読み物が満載である。 3月末にみたNHK仕事の流儀「オークションスペシャリスト山口桂」の藤田美術館300億円落札の話は数行しか載っていない。 ある古美術商は「第一印象を大事にしている」と言っていたがその通り。 脳味噌がピクピクして喜べば先ずは良い作品である。 美術作品の良し悪しは自身のカラダで判断するしかない。

■坂本龍一、設置音楽展

■ワタリウム美術館,2017.4.4-5.28 ■新作「async」の音楽展である。 2階は作品の再生、3階はNYで作成中の映像、4階はアピチャッポン・ウィラセタクンが新作から2曲を映像に取り込んでの上映。 まずは2階へ。 枯草を踏む、鐘の音も、風景に向かい合う、英語や仏語の喋り、コル・レーニョ・・。 新作はまるで<映画>を聴いているようだ。 制作にインスピレーションを与えた資料が展示されていた。 中谷宇吉郎全集、A・タルコフスキ「鏡」「惑星ソラリス」・・、L・サスキンド「宇宙のランドスケープ」、L・ワトソン「水の惑星」、P・ボウルズ「シェルタリング・スカイ」、中谷芙二子「霧」、P・K・ディック「ユービック」などなど。 なるほど。 「シェルタリング・スカイ」はもちろん映画を意識しているはず。 次に3階へ。 制作のNYスタジオや作者の住まい?の映像が簡単に紹介されている。 制作場所を意識しているせいかこじんまりしている。 でも坂本龍一の全仕事に興味を持っている者なら満足だろう。 そして4階へ。 映像になんとKAATで上演した「 フィーバー・ルーム 」の場内が映し出されていた。 次にウィラセタクンの好きな眠りの映像が続く。 犬も猫も眠る。 しかし何とも言えない東南アジアの怠さが曲と合わない。 坂本龍一の投げた変化球をウィラセタクンは見逃し三振、対して2階の高谷史郎*1は制作過程を紹介しながらも邪魔しないように作られていたからバントヒット成功と言ったところか。  このニューアルバムは「あまりに好きすぎて、 誰にも聴かせたくない」と作者自身言っている。 映画好きならこの曲から<映画>への想像が幾らでも湧き起こる。 *1、 「明るい部屋」(写真美術館,2013年) *館サイト、 http://www.watarium.co.jp/exhibition/1704sakamoto/index.html *2017.4.19追記、NHKクローズアップ現代「坂本龍一、分断された世界」を見る。 作者が新作「asyns」の思いを語る番組。 この作品には彼が病のため死と対峙したことが含まれているのを知る。 *NHKサイト、 http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3963/ *2017.4.24追記、書店雑誌棚を流したら「美術手帳」と

■田沼武能肖像写真展、時代を刻んだ貌  ■お蔵出し!コレクション展

*下記□2展を観る. ■練馬区立美術館,2017.2.23-4.9 □田沼武能(たぬまたけよし)肖像写真展 ■あの絵の作者はこんな顔をしてたの!? 初めての顔が何枚かあったわよ。 画家を含め作家や音楽家、落語家などの被写体は5000人にものぼるらしい。 田沼の肖像写真は緊張感がみえない。 雑音があるからだとおもう。 棟方志功など何人かは別だけど。 「すべての人間は他人の中に鏡を持っている」(ショーペンハウエル)。 レンズの向こうに自分自身をみると色々考えてしまうから雑音が発生する、そして雑音があると被写体が<普通>に近づく。 この並がいいのよ。 展示会が2館で同時開催だと会場で知ったけど石神井公園分室まで行くのは残念だけど諦めたわ。 *美術館、 https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=m10339 □お蔵出し!コレクション展 ■区立美術館でも6700点もの作品を持っているのね。 今回公開の90点のほとんどは初めてかも。 気に入った作品は靉光「花と蝶」、奥田元宋「妙義赤峰」、中西夏之「ℓ字型ー左右の停止ー」、松岡映丘「さつきまつ浜村」など10点はあったかしら。 館長お薦めは池大雅「比叡山真景図」。 チラシにも載った映丘の上記作品は湿度が高そうな初夏だけど遠くまハッキリとみえる港や浜辺、松林や田圃、山々の緑が最高。 季節を一歩先取りしているのがいいわね。 *美術館、 https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=m10340

■N・S・ハルシャ展、チャーミングな旅

■森美術館,2017.2.4-6.11 ■インドといえば仏教やヒンズー教美術、戦後では日本人画家がインドを題材にした作品しか思い浮かばない。 ハルシャは初めて聞く画家です。 作品をみると政治や経済に翻弄されつつも20世紀の素朴さが漂っている。  グローバル化の波や国家を論じている作品と南インドの生活を前面に出している展示は具体的です。 一人ひとりの表情や衣装が違う反復作品も時代を追って洗練されてきている。 しかし人口13億人はやはり大きい。 試行錯誤で事を進めるしかない。 ハルシャの旅は続く。 現代インドの強さと弱さが出ていますね。 *館サイト、 http://www.mori.art.museum/contents/n_s_harsha/index.html

■大エルミタージュ美術館展、オールドマスター西洋絵画の巨匠たち

■森アーツセンターギャラリ,2017.3.18-6.18 ■ルネサンス、バロク、ロココのオールドマスターを中心に展示されています。 近代以降が無いと落ち着いて観ることができますね。 オールドマスターを展示名に入れるのも初めてでしょう。 80数点のうちエカテリーナ2世の関与した作品が半数もあるそうです。 挨拶文に「彼女の好みが分かるだろう」とあったが残念ながらそこまでは分かりませんでした。 先ずはティツィアーノとは都美術館「 ティツィアーノとヴェネツィア派展 」を意識しているのが面白い。 国別に章を組み立てていたのも分かり易い。 知っている画家は各国で数人だけです。 イタリアはティツィアーノ、オランダのレンブラント、フランドルでルーベンス、スペインは聞いた名前はあるが作品と結びつかない。 フランスはプッサン、ヴァト、シャルダン、ブーシェ、クロード・ロラン、ユベール・ロベールと多い。 そしてドイツはクラーナハ。 全数が少ない割には裾野が広がっている感じがします。 2012年国立新美開催「 大エルミタージュ美術館展 」の続編と考えられる。 今回は19世紀以降を省いてオールドマスターとその周辺に焦点を当てたのでしょう。 本物は裏切りませんでした。 *展示会サイト、 http://hermitage2017.jp/

■山崎博、計画と偶然  ■長倉洋海の眼、地を這い未来へ駆ける  ■日本写真開拓使、総集編

■東京都写真美術館 ■山崎博,2017.3.7-5.10 ■「いい被写体を探して撮る」から「被写体を選ばずに撮る」は偶然から必然への移行とも言える。 20世紀が持っていた写真の謎を形あるものへと探求した形跡が感じられる。 計画から必然は過程だがそこに偶然が発生する。 この偶然を別の言葉では芸術と言うのかもしれない。 偶然から発生した偶然は芸術とは言えない。 より遡って作者の天井桟敷や黒テント、天使館や大駱駝艦の身近な存在は写真を忘れることができた時代だ。 写真を忘れない計画の時代と対になっていて面白い。   *館サイト、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2574.html ■長倉洋海の眼,2017.3.25-5.14 ■実在の人物に焦点を当て続けるところに引き込む力の源泉がある。 最初の一枚から最後の一枚まで物語の頁をめくっていくようだ。 指導者スマードの和平交渉失敗など手に汗を握る場面も多い。 エルサルバドル、アフガニスタン、南アフリカ、コソボ、アマゾン・・。 作者と主人公の二つの視線が重なり離れたりすることで作品の広さと深さを出している。 *館サイト、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2614.html ■夜明けまえ知られざる日本写真開拓使,2017.3.7-5.7 ■内田九一の「新橋駅」は初めて見た。 今も実物大の駅舎が残っているので比較ができる。 1872年当時の駅舎周辺は何もない。 今の電通ビル方向から撮っているが新橋駅方向に日本家屋が少しみえるだけだ。 今回は総集編である。 いつも来たついでに立ち寄っていたが写真技術などの知識は増えた感じだ。 しかし写真史は素人には分かり難い。 映画と違って初期は作者が不在だからだろう。 * 「日本写真開拓史・北海道東北編」(2013年) *館サイト、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2576.html

■ミュシャ展、超大作<スラブ叙事詩>全20作

■新国立美術館,2017.3.8-6.5 ■圧倒されます。 美術館の広さをフルに活用している。 混んでいても気になりません。 「スラブ叙事詩」の前に「スラブとは何か」の問が立ちはだかります。 スラブが人種なのか言語なのか国家群なのか身体的に伝わってこない。 プラハは歴史も地理も西欧の東つまり東欧という認識でした。 そして今まで知っていたのはパリ時代アールヌーボーのミュシャだったことです。 叙事詩のキャプションは全て読みましたが混乱します。 周辺国との人種や宗教の軋轢や知らなかった戦争が語られるからです。 でもミュシャが叙事詩でスラブを平和にまとめ上げようとした強い意志は伝わってきます。 そして「スラブ叙事詩」を観たことでなにか大きな力を貰えたように感じます。 *「 ミュシャ展,パリの夢モラヴィアの祈り 」(森アーツセンターギャラリ,2013年) *館サイト、 http://www.nact.jp/exhibition_special/2016/alfons-mucha/