■坂茂、プロジェクツ・イン・プログレス

■ギャラリー間,2017.4.19-7.16
■この春、パリ郊外セーヌ川の中州セガン島にオープンした「ラ・セーヌ・ミュジカル」の建築展である。 川に浮かんだ建物の写真や映像を見ると大きなレーダ格納庫を持った南極観測船を思い出してしまった。 レーダの球形には音楽ホールが入っている。 その続きは横浜大桟橋のような芝生で覆われたなだらかな丘になっているが、その下もホールになっている。 なかなか壮観である。  
坂茂(ばんしげる)は木材や紙を使った建築で有名だがこのミュジカルも一部に使われている。 建築物は重量がある。 木材も軽くはない。 ここで紙を使い一気に軽量にする発想は面白い。 例えばハニカム構造紙の回りを板で囲み木材として使用する。 施工作業が容易になるメリットは大きい。 現在進行中の他建築物も展示されているが木と紙を使った作品が多い。
すべてが木と紙ならわかるがしかし、鉄筋も混ぜた建物は鉄筋が勝ってしまい木や紙は装飾の役割しか持たないのでは? 寿命も違うので管理も大変だとおもう。 会場を回りながらいくつか疑問を持ったが今も未決である。
それでも木や紙は違和感が無い。 やはり昔からの日本建築の主材料だからだろう。  
*館サイト、http://www.toto.co.jp/gallerma/ex170419/index.htm