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■千葉正也個展  ■難波田龍起、初期の抽象  ■小瀬真由子展

■東京オペラシティアートギャラリー,2021.1.16-3.21 □千葉正也個展 ■千葉正也の作品を目の前にすると以前に観たことを思い出させてくれる。 忘れられない作家の一人ですね。 暖かで柔らかそうなモノに溢れた静物画です、がどこかシュール感が漂っている。 土色が前世からの流れを意識させる。 それが剥き出しになったカンバスに納まり、周囲にはモノたちが置いてある・・!? モノは一種の異化効果を狙っているようです。 非日常の絵画の周りに現実を取り込む。 生きた亀が動き回っているのを見ると現実に戻されます。 絵画自身が日常的非日常を表現しているので周囲にモノを置くと再び現実に戻ってしまう。 不思議な展示空間が現実で迷っているようです。 やはり<納まらないカンバス>迄でしょう。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh236/ □難波田龍起,初期の抽象 ■1950年から70年頃の作品60点が展示されています。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh237.php □小瀬真由子展 ■夢で見たような物語りの一場面が描かれている。 版画のようにもみえる。 名も無い物語を描くのは度胸があります。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh238.php

■佐藤可士和展  ■DOMANI・明日展2021

■国立新美術館,2021.2.3-5.10 □佐藤可士和展 ■佐藤可士和の活動を紹介する大規模展は初めてかしら? 赤地に白字の「ユニクロ」は傑作だと思う。 「伝えるべき情報を整理し本質を抽出し誰もが一目で理解できる・・」。 一文字の「T-POINT」やホンダの「N」、楽天「R」は情報をもっていないとイメージが固まっていかない。 とことん削ぎ落して境界にとどまろうとする冒険者かな?彼は。    でも組織名や商品名の入っている作品は素直に入り易い。 例えば「NISSIN」や「MITUI&CO」・・、その中で「明治学院大学」はキリスト系人格教育のイメージがロゴに表れている。 「GU」は一文字延長の為かプラスαが欲しいところ。 デザイン構築を拡張した例として「三井物産アドバタイジング・プロジェクト」が掲げられる。 休息室に展示してあったが三井物産のグローバルでのブランドの確立と認知向上が目的なの。 ローカルでは「ふじようちえん」「団地未来ブロジェクト」などがイコン的ブランドで迫っている。 佐藤可士和のブランド創作活動は未来へ向かう力強いベクトルを持っているのが分かる。 *館サイト、 https://www.nact.jp/exhibition_special/2020/kashiwasato2020/ □DOMANI・明日展2021 ■「文化庁新進芸術家海外研修制度」を経験した新進作家10人の展示会。 絵画も映像も彫刻も新鮮さを大事にしているはずだし、そこを見たいところね。 実際、観客と近いところに作家も作品もある、特に映像は。 気に入った作品は大田黒衣美「the waiting dog」(2020年)。 飼い主が買物をしているあいだ、近くで待っている愛犬の様子を撮った作品なの。 近くを通る他人への態度や飼い主が戻ってきた時の動作で両者の関係がよく分かる。 20分弱を犬好きには飽きないで観てしまう。 青木麻衣子の写真は気に入ったけど展示方法に無理がでている。 緊張し過ぎかもね 彫刻では袴田京太朗の「軍神」。 軍服姿の像が横たわっている(といより倒れている)。 まるで1991年に倒壊されたレーニン像だわ。 威厳を持ちながら打倒されてしまったところに劇的さが漂っている。 好き嫌いに差がでる作品展だった。 これこそが新鮮といえる証しだと思う。 *館サイト、 https://www

■盗まれたカラヴァッジョ

■監督:ロベルト・アンドー,出演:ミカエラ・ラマゾッティ,アレッサンドロ・ガスマン他 ■WEB配信,(イタリア・フランス合作,2018年) ■カラヴァッジョ作「キリスト降誕」は1969年に盗難に遭い現在も見つかっていない。 この実話を元に作られた作品のようです。 サスペンス系娯楽ドラマで美術系映画からは程遠い。 盗難状況を描いたシナリオ関係者が犯人に狙われる内容です。 ディテールがまとまり切れていない。 しかも主人公の両親の行動が出来過ぎていてサスペンスを台無しにしています。 イタリアではヒットしたようですがイマイチでした。 *映画com、 https://eiga.com/movie/90912/