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■ブリューゲル展、画家一族150年の系譜

■東京都美術館,2018.1.23-4.1 ■西洋美術館まで来たから序でに都美術館にも寄ったの。 ・・作品リストで気付いたけど出品101点の大部分が個人蔵のようね。 大作は少ないとも言える。 そして単眼鏡は必須よ。 チラッと見た限りではヤン・ブリューゲル1世と2世の作品が多いかな。 兄と違って独自のスタイルを持ったことが多い理由かも。 ピーテル・ブリューゲル1世と2世がそれに続く。 孫・ひ孫のアンブロシウスとアブラハムは10枚以下。 この5人で16世紀中頃からのフランドル100年の生活・自然・宗教の全体が見えてくる。 先ほど観てきた ベラスケス とほぼ同時代よ。 この一族はプロテスタントかしら? でも画家商売だと宗教で顧客を分けたくない。 「<ブリューゲル>はひとつのブランドとして確立されていく・・」。 これには頷ける。 作品に穴を開けて粉を落し輪郭を写し取る方法を知ったけど、ファッションならオートクチュールよりプレタポルテでしょう。 それはともかく家系図をジックリと見てしまったわ。 勘違をしていたことも過去に有ったようね。 父・子・孫・ひ孫を正確に区別して観てこなかった。 ウーン、弱った。 でも一族画家を比較しながら会場を回れるのはブリューゲルしかいない。 家系図をしっかり頭に叩き込んだからもう間違えない。 面白い企画で楽しめたわ。 *館サイト、 http://www.tobikan.jp/exhibition/2017_bruegel.html

■プラド美術館展-ベラスケスと絵画の栄光-

■国立西洋美術館,2018.2.24-5.27 ■画家ベラスケスの好き嫌いを考えたことがない。 要は無関心だったのね。 「7点も観ることができるのは事件だ!」と及川光博が言っていたけど最初はピンと来なかった。 でもプラド美術館を入口にしてベラスケスとスペイン国王フェリペ4世との関係や当時の美術界がじわりと深まっていく内容で満足度100%の展示会だったわ。 「狩猟服姿のフェリペ4世」は描く描かれる二人の世界観までみえてくる。 7作品のあらゆる階層や物語の人々は人生が何であるか知っている姿・眼差しで描き込まれている。 それを現実世界として展開するから彼が宮廷で昇進していったのも分かる気がする。 ルーベンスとの出会いも二人の組織や外交への豊な感受性が一致した為だと思う。 もちカトリック改革もあるけどね。 そのルーベンスがティツィアーノの作品を目にした喜びも発見だった。 また抽象的だけど内容は分かり易い章立てだったわよ。 「知識」のギリシャとキリスト教、「神話」の異教徒と裸体、「風景」の疎遠と親近、「静物」のボデコンを含めた俗世界の愉しみ等々がスペイン美術に輪郭を与えていた。 今年初めての満足できる展示会だった。 これは事件かしら? *日本スペイン外交関係樹立150周年記念展 *館サイト、 https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2018prado.html

■パリジェンヌ展、時代を映す女性たち

■世田谷美術館,2018.1.13-4.1 ■「パリジェンヌ」とは理想化された概念とあったが、もちろん版画・油彩・衣装・ポストカード・ブロンズ・ポスター・水彩でそれを指し示す対象物が展示されている。 しかし豪華な髪型や衣装からルソー影響下の良母や未亡人までをみていると際限なく広がっていくパリジェンヌに戸惑ってしまう。 サージェントなど数枚でアメリカへの伝播、モリゾやカサットなど数人で芸術への進出を論じるのも強引に感じる。 背景を知らなければ「マルグリット」の髪型はアメリカ・インディアンだろう。 しかも最終章ではパリジェンヌが街中至る所に出没している。 道端の野菜売りの女性の写真まである。 パリジェンヌとは何か?まとめきれないで会場をあとにした。 帰ってから手元の広辞苑で調べると「パリ生まれの女性」とあった。 ・・。 パリジェンヌを理想化したかったようだが千姿万態の女性がパリに溢れるのをみればオノレ・ドーミエも皮肉をいいたくなるだろう。 *展示会サイト、 http://paris2017-18.jp/

■絵画の現在、今日のわたしに会いにいく  ■牛島憲之と立軌会

■出品作家:今井俊介,木村彩子+近藤恵介,近藤亜樹,白井美穂,諏訪未知,津上みゆき,福士朋子 ■府中市美術館,2018.1.13-2.25 ■先月にみた「 クインテットⅣ 」よりも自由度がある。 題名通りの内容です。 「いま」の心から溢れ出てくる何かを対象に塗り付けた作品が多い。 近頃は絵画をみるとホットします。 コンピュータ作品に接することが多いからでしょう。 でも今井俊介はハンドメイドの匂いが残っている。 今わかりました。 絵画の現在とは懐かしさのことです。 それは副題にも通じます。 *館サイト、 https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/kaiganogenzai.html ■牛島憲之と立軌会 ■府中美術館へ行く楽しみは牛島憲之に会えることです。 今日は「灯台」(1956年)が気に入りました。 いつもと違って立軌会を中心とした画家たちの作品も並べられている。 彼は1927年の東光会を皮切りに主線美術協会、上杜会、創元会そして立軌会、1950年から1965年迄の檀会と歩んだようです。 20世紀激動の時代がみえてきます。 *館サイト、 https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/jyosetu/ushijima.html