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6月, 2011の投稿を表示しています

■ムットーニワールド、からくりシアターⅡ

■八王子市夢美術館,2011.5.20-6.26 ■2011年「ウィングエレメントより」の最新5作が展示されている。 物語の色濃い作品が多かったがこれはとても清楚だ。 後ろに位置している「エンジェル」「フラミンゴ」は太陽色の星を背景に翼を持った人物が箱から登場するもの。 前方の「エッジオブリング」「ロスト」は囲いもない空間へ翼をもった女、男が浮遊する作品。 以上は青の光でアクセントを付けている。 中央の「ウィングズ」は太陽色だけの翼が静かに羽ばたく。 いままでの饒舌さを剃り落した感がする5作品である。 宗教と関係があるようだが、この翼がどのような意味を持っているのかよくわからない。 そして見る者を深く解放できる力が具わっていない。 物語との関係を含め、これからの課題のようだ。 *チラシ、 http://www.muttoni.net/img/flyer-syusei_A.pdf

■もてなす悦び展

■三菱一号館美術館、2011.6.14-8.21 ■ http://mimt.jp/omotenashi/ ■ミントン、ウースタ、ドルトン、ゴーハム・・、陶磁器会社の名前もたくさん覚えたし、日本製との差異を比べるのが面白かったわ。 でもジャポニズムが当時のヨーロッパの一般庶民にどれだけ受け入れられたのかよくみえないの。 お茶会も、もてなす悦びもね。この豪華な食器を並べたテーブルから何を想像すればよいのかしら? 「でも三菱らしい展示会ね」と言われるのは早過ぎる。 残念だけど19世紀の英国に住んでお茶を飲まないとわからない、ということは分かった。 館長のメッセージに「・・社会との緊張関係から生まれた美術に集点をあてる」と書いてあるから、もっと三菱らしくないところも出して欲しいわ。 さてえっと、そろそろセカンドフラッシュが発売される頃ね、・・楽しみだわ。

■手塚治虫のブッダ展

■東京国立博物館、2011.4.26-6.26 ■ http://www.budda-tezuka.com/ ■「まさかの共演」は饗宴まで届かなかったようです。 「漫画の良さがでていない」などと言うのは欲張りです。 まずは漫画を読んでから行くのがよいでしょう。 原画を眺めてその横の仏像を観るとまた違った面白さがあります。 漫画の場面が頭に入っているので仏像をみながら物語を反復してしまうのです。 だからいつもよりジックリと仏像を拝んでしまいました。 少し物足りません。 しかし観に来ていた中・高校生にはちょうど良い量・質だとおもいます。

■美しき日本の原風景

■山種美術館,2011.6.11-7.24 ■川合玉堂の絵は無防備に入っていける。 逆に東山魁夷は途中で構図などを考えてしまう。 これらの意識が邪魔をして面白くない。 奥田元宋は雑音が覆っている感じだ。 彼の脳味噌はシャキッとしていないようだ。 だからつまらない。 第三章の「富士を描く」は拾い物だ。 安田靫彦、小林古径、伊藤深水、奥村土牛の富士がいい。 横山大観はダメ。 彼のは当たり外れが多い。 今回は精神性を強調しすぎている。 日本の風景画は水分を多く含んでいるので、梅雨時の今観ると心も体も水にどっぷりつかっているような感じになる。 ずぶ濡れになるが、水の惑星の住人のような幸福感も訪れる。 *館サイト、 http://www.yamatane-museum.jp/exh/doc/110611jp.pdf

■世界報道写真展2011

■東京都写真美術館,2011.6.11-8.7 ■東日本大震災ですっかり忘れていた去年のハイチ地震は驚きの再現です。 死体をポンポン投げている写真がです。 31万人も亡くなった重さが直に伝わってきます。 パキスタンの豪雨で2000万人が避難した史上最大の大洪水も初めて知りました。 北朝鮮軍事パレードで金正恩を心配そうに見つめる金正日の1枚は彼の心の中までみえるようです。 西サハラ、イエメン、ソマリア・・の難民を見るとアフリカいや世界の終末は近いのではないかと真剣に考えてしまうほどです。 日本の報道とは違います。 それは死体や血だらけの肉体を隠さないところです。 これにより、もうひとつの現実に一歩近づいた気持ちになります。 * 「世界報道写真展2010」

■ワシントン・ナショナル・ギャラリー展、印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション

■国立新美術館,2011.6.8-9.5 ■初めてみる絵が多いから嬉しいね マネの「オペラ座の仮面舞踏会」の黒は異様だ ルノワール「ポン・ヌフ・パリ」の雲は印象に残る セザンヌの「りんごと桃のある静物」も見た記憶が無い これならもう一度行ってもいい、 一回目は好きな絵をみつけに、二度目はそれをジックリみにいく *美術館、 https://www.nact.jp/exhibition_special/2011/nga/

■時を超えてー静物と風景画展ー

■ホキ美術館,2011.5.28-11.13 ■開館7カ月目でやっと行ってきました。 画家同士を比較できるところがいいですね。 五味文彦のハッキリし過ぎた静物画。 レモンなどはプラスチックのようで且つ本物のようです。 原雅幸の幻想的なリアルさ。 青木敏郎は時間も止めて描いているようにみえます。 この3名の作品が気に入りました。 5月の日曜美術館で野田弘志を放映してましたが、会場で見ると写実としてはいまいちですね。 この番組で野田がダ・ヴィンチの「モナ・リザ」の手は皺も血管も描いていないのになぜリアルなのか? そして高橋睦郎が登場していつもの回答をブツブツつぶやいたのです。 この問答を見て野田は写実から離れていくと思いました。 「オロフレ峠」(2010年)などはもはや写実とはいえませんが、どうでしょうか・・  *ホキ美術館開館記念第2弾 *館サイト、 https://www.hoki-museum.jp/past/20110528/index.html

■ルドゥーテ「美花選」展

■BUNKAMURAザ・ミュージアム、2011.5.29-7.3 ■ http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/11_redoute/index.html ■精密な造花のような感じがしていたけど、その理由がわかったの。 それは銅版画だからよ。 「自然美と人工美のバランス」とあったけど少しばかり人工美に傾いているようね。 葉の細長いユリ科より葉が丸くて背の低い草花のほうが可愛げが出てるわ。 そして花弁は沢山より少ない方がが素的よ。 蝶の描かれている作品が数枚あったけど昆虫は下手ね。 そして苺・梨・林檎・李・白葡萄・・・果物は不味そうで食べられないわ。 ルドゥーテを観ながら、数年前の牧野富太郎展の時は何に感動したのか?を思いだそうとしたの・・。 多分それは、生物が持っているある種のリアルさから来る感動だったとおもう。 というのは残念ながら今日の展示会ではその感動がなかったから。 でもヨーロッパの花以外に「東洋への憧れ」「エキゾチックな植物」やキャプテン・クックに絡む「バンクス花譜集」なども展示されていて楽しかったわ。