投稿

2月, 2024の投稿を表示しています

■FACE展2024

■SOMPO美術館,2024.2.17-3.10 ■どれが受賞作なのか分からない、キャプションをみれば分かるのですが。 どれも同じように見えてしまいます。 作家たちの思い描くことが同じようになっているからでしょう。 接する情報量が増えている、それが同質のためかもしれない。 抽象画がグランプリのようです。 やはり会場を回っても抽象画が多い。 情報以外の人・物の体験比重が小さくなっているから? 今回は1200名の応募から80点を選んだそうです。 それでも、作品から作品へ目を移す時は別世界に飛べる。 そして作品の裏にある作家の環境を勝手に読み解く。 未知の作家ならではの楽しい見方です。 *美術館、 https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2022/face2024/ *追記・・新宿武蔵野館に寄り映画「J=L・ゴダール/遺言,奇妙な戦争」(J=L・ゴダール監督)を観る. 感想は 🐸のtwitter Xに投稿しました.

■ガラスの器と静物画 ■静物画の世界 ■宮林妃奈子

■東京オペラシティアートギャラリー,2024.1.17-3.24 □ガラスの器と静物画,山野アンダーソン陽子と18人の画家 ■「このような器を作って欲しい」。 画家から依頼されたガラス職人はその器を作り、それを画家が日常の中で描く・・。 そして本にする。 面白い流れです。 ガラスは色のある飲み物が似合う。 ワインやジュースは分かるが、牛乳が多いのは興味深い。 ガラスに乳色は特別にもみえる。 幼児・子供時代を思い出させるからでしょう。 実は厚みのあるガラス食器が好きなのですが一つも無かった。 自宅のコップやウイスキグラスなどは全てがゴツイ。 厚いガラスは唇が喜びます。 食の味も変化する。 薄いガラスは生活が繊細になる。 しかも会場には小ぶりが多い。 ガラス作家の意向が強く表れているようにみえます。 *美術館、 https://www.operacity.jp/ag/exh270/ □静物画の世界,収蔵品展078寺田コレクションより ■静物画大好き人間にとっては最高です。 個性ある画家20人の饗宴ですね。 ここで五味文彦に会えるとは嬉しい。 窪田洋子を収蔵品展で見かけることは殆どない。 でも今日は10枚近く展示してある。 これも嬉しいですね。 常連の川口起美雄、他に川原朝生の作品が気に入る。 鉛筆画や版画もあったが、これらを含め満足度200%でした。 *美術館、 https://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=296 □宮林妃奈子,projectN ■躍動感ある筆さばきに、ぼんやりと映える直線直面が全体を引き締めている。 見つめるほど味がでてきます。 *美術館、 https://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=297

■池大雅、陽光の山水

■出光美術館,2024.2.10-3.24 ■「万巻の書を読み万里の路を行く」。 「瀟湘勝概図屏風」の岩の形、葉の移ろい、時雨の動き、どれも温かみある空気を通して伝わってきます。 抽象画へのベクトルも感じられて面白い。 富士山や浅間山の真景図をみていると旅好きがわかる。 独特な点描葉は日本の広葉樹林の優しさを鮮やかに表している。 「東山清音帖」は扇の形が大雅をより自由にさせている。 文字も絵の一部でしょう。 楽しんで描いている彼の姿が目に見えます。 憧れの中国への想像力が次第に膨らんでいったようですね。 「十二カ月離合山水図屏風」の背景の冬山はモコモコし過ぎて恐ろしいくらいです。 自由に動き回っていた頃は妄想が抑えられていたのかもしれない、四季のメリハリは効いているが。 生誕300年記念展の池大雅を久しぶりに楽しんできました。 *美術館、 https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/

■印象派、モネからアメリカへ ■和食、日本の自然・人々の知恵

□印象派,モネからアメリカへ ■東京都美術館,2024.1.27-4.7 ■ウスターと言えばソースや劇団名を思い浮かべるが美術館は初めてです。 隣のボストン美術館と違い知名度は低いですね。 でも何が出るか?ウキウキしながら上野へ・・。 ・・フランスや日本の画家も入り混じるのでアメリカが目立たない。 クロード・モネの「睡蓮」(1908年)が気に入りました。 水面が春空の色で輝いている。 深みある水面が多い「睡蓮」の中では晴れやかな感じがするからです。 アメリカでは本展の中心人物F・C・ハッサムが、また印象派からは少し離れたJ・S・サージェントが網膜に残りました。 アメリカ印象派はどちらかというと地味ですね。 ハドソン・リバー派の色調主義(トーナリズム)のある淡い色彩が覆っている。 最終章「まだ見ぬ景色を求めて」でポール・シニャック「ゴルフ・ジュアン」(1896年)、ジョルジュ・ブラック「オリーヴの木々」(1907年)の目が覚める色彩を前にして、アメリカ印象派の辿った生涯が朧気ながら見えた気がします。 南北戦争の傷跡が一生付きまとったのではないでしょうか? *ウスター美術館所蔵展 *美術館、 https://www.tobikan.jp/exhibition/2023_worcester.html □和食,日本の自然・人々の知恵 ■国立科学博物館,2023.10.28-24.2.25 ■次に科学博物館へ・・。 「和食」展は去年観る予定が今日になってしまった。 食のことが一杯で、これは楽しい! 穀物と野菜、魚介類と海藻類が中心です。 口に入れる時は加工されていて個体像がみえない。 本物そっくりのレプリカでも、自然に生息している姿をみて感動しました。  後半では卑弥呼や長屋王から始まり、織田信長が徳川家康をもてなした膳、江戸庶民の屋台、天皇晩餐会そして昭和時代の食卓をみて日本風土の広がりが分かります。 卑弥呼や長屋王の食卓は今でも涎がでてくる、ただし味付けは塩などで単純ですが、ダイナミックナな自然の力が迫ってきます。 最後には現代に通ずるカレーやラーメンも登場する。 特にキノコ類、海藻類や貝類の充実が和食の深さですね。 加えて発酵と旨味ですか。 和食最高ですが、環境問題もあり安泰としてはいられない。 *博物館、 https://washoku2023.exhibit.jp/