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8月, 2014の投稿を表示しています

■絵画の在か  ■みずのすがた ■塩川彩生展

■絵画の在りか ■ 東京オペラシティアートギャラリ,2014.7.12-9.21 ■若い画家24名の展示会です。 一人数点のため作品に入っていけません。 帰り、ギャラリ書店で画家たちの画集をみるとなるほど何か分かる気がしました。 やはり数で勝負でしょう。 若さは数です。 画集をみると悪くないですから。 キャプションの解説文は切れ味が良かったですね。 でも作品に対して肯定的すぎます。 概念的な内容が作品を遠ざけた感じもします。 画家の本心も聞きたかったですね。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh166/ ■みずのすがた ■山、海、島、川、田圃、・・いいですね。 一息つけました。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh167.php ■塩川彩生展 ■なんかボケーとした感じで・・これもいいですね。 ホッとする夢でもみているようでした。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh168.php

■ジョージ・ネルソン展、建築家・ライタ・デザイナ・教育者

■目黒美術館,2014.7.15-9.18 ■具体的企業での行動や冷戦下のモスクワでの展示会など、政治・経済を取り込みながら 創作しているから今みても古びていない。 彼の作品はCIの先取りであり、それはCSRやガバナンスにまで広がる。 会場には採算に合わない製品販売取り止めの話も多々ありリアルである。 このような広がりとは違うバウハウスを思い出してしまった。 20世紀前半のアメリカの豊かも背景にあるのだろう。 しかも彼はこの豊かさの影の部分をも問題視している。 椅子や机など素材や金具に古さがあるが彼の思想が伝わってくる。 1970年頃の日本車をみているようだ。 政治・経済を変革しようとする作品に込める思想も現代に直結だ。 彼は「(資本主義を背景にして)自然と人間の交わりから生まれる世界の全体がデザインである」と言っている。 これに通ずる世界観が作品にはある。 昨年、国新美館で開催した「カリフォルニアデザイン展」の西海岸的なデザインを覚えている。 今回は東海岸的でよりアメリカデザインの核心に迫っているようみえた。 *館サイト、 http://mmat.jp/exhibition/archives/ex140712

■ヨコハマトリエンナーレ2014-華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある-

■横浜美術館+新港ピア,2014.8.1-11.3 ■ 広場にデルボアの「トレーラ」が置いてあります。 キリスト教ホラー映画に出てきそうな車です。 神経質なデザインと鉄の錆がいいですね。 これをみてエッフェル塔と東京タワーの違いを考えてしまいました。 出だしは地味な作品ばかりです。 夏休みの子供たちには少しガッカリでしょう。 会場が広いせいで感じられませんが、量があります。 しかも派手な作品が少ない。 直ぐに忘れ去られそうです。  しかし大谷芳久コレクションは違います。 有名人たちが戦争賛歌をこれだけ世間に公開するのも異様ですね。 生死の状況次第で変わるのはしょうがないですが考えさせられます。   「芸術家はいきなり社会や宇宙と闘い始め、・・やがて忘却の旅人になる・・」、「子供は自身を主人公にした活劇やロマンスを空想するが、・・芸術家は子供時代に棲み続ける隠者である・・」とディレクタ森村泰昌は言っている。 会場には「忘却の海」が現前しています。 館バスで新港ピアに向かいました。 A・ザタリ「彼女に+彼に」、 H・ユンチャン「タンカー解体労働者」、Y・コビール「縫製工場労働者」などの映像作品が忘却の海に漂わせてくれました。 *主催者サイト、 http://www.yokohamatriennale.jp/2014/

■橋本コレクション指輪-神々の時代から現代まで、時を越える輝き-

■国立西洋美術館,2014.7.8-9.15 ■指輪は小さい。 一つの作品を観るのに一人がやっとだ。 もちろん単眼鏡は持っていったが。 指輪は自分の手に取って微妙に動かしながらみるのがよい。 これができないから辛い。  しかもダイアモンドは照明が強すぎる。 キラキラして見難い。 しかしどう転んでもダイアモンドは別格の感がある。 「指輪に美を求めたのは時代も後になってから」とあるが、第二章の「飾らない指輪」は面白い。 母の出産や子供のお守り、病気や災難の厄除けなど身につけるものだから現代でも理解できる。 第五章の「死と婚礼」も同じだ。 骸骨の指輪はどこのロックシンガーだっけ? 第七章の「モードと指輪」は国新美館のコスチュームへの対抗かな? 指輪の歴史を実物で俯瞰できて楽しかった。 照明を含め陳列方法はもっと検討する必要がある。 *館サイト、 http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2014ring.html

■建築家ピーエール・シャローとガラスの家

■ 汐留ミュージアム,2014.7.26-10.13 ■家具デザイナーのシャローは使い易さを第一に考えていたのね。 デスクなどは現代仕事机の原型にもみえる。 20歳からの10数年を英国家具会社で働いたから「独特な英国風」もある。 アールデコはたまたま時代の中で出会ったのよ。  そしてミニマリズムへ。 金属を人間の骨のように作品の急所に使い機能重視にしたのもミニマルへの理由ね。 次に建築へ行くのは必然。 部屋のスケッチを見ても家具より部屋全体を意識している。 建築試験不合格でも諦めない! ガラスの家をみた時ルーヴル美術館のピラミッドを思い出したわ。 部屋の中の明るさが素晴らしい。 日本の障子戸にもみえる。 でも何か気が抜けた感じね。 悪く言えば金属とガラスでできた入れ物ね。 1階診療所の延長と考えればこれでよいかもしれない。 *館サイト、 http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/14/140726/

■泥象鈴木治の世界

■東京ステーションギャラリ,2014.7.26-8.31 ■土をコネコネいじりながら形にしていくのは最高の喜びを得られるはずだ。 みながらそうおもってしまう。 第1室の作品は飽きが来る。 しかし第2室の清白磁が突然現れてから俄然調子がでてくる。 そして2階へ下って再度の赤土作品は第一室を超えている。 赤土作品をみているとパンを食べたくなってしまった。 「使うから観る」とあるが、清白磁の徳利や猪口なども素晴らしい。 「観るから詠む」は最初わからなかったが連作シリーズをみて納得。 「蘖」は葉が現実的で少し興醒めがする。 「一の芽」の作成過程をビデオ上映していた。 面白いが舞台の裏側を見てしまった感じだ。 「使うから観る、観るから詠む」流れに「作る」を入れると時間が淀みリズムが途切れる。 *館サイト、 http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201407_OSAMU_SUZUKI.html