■種と根っこ、都市の耕し方 ■秋の風景 ■田中藍衣
*下記の□3展を観る. ■東京オペラシティアートギャラリー,2026.10.17-12.20 □種と根っこ,都市の耕し方 ■作家:今村文,浅野友理子,岩名泰岳,基原蓉子,鈴木初音,加藤美佳,山縣良和,板坂留五,西條茜,保良雄 ■幾つかのイメージは思い浮かぶものの、「種と根っこ、都市の耕し方」というタイトルは一見すると分かりにくい。 会場には十人の作家による作品が並んでいたが、その方向性は大きく二つに分けられるだろう。 一つは動植物など自然そのものを直接扱った作品群である。 もう一つは、自然との境界に存在する<モノ>を媒介とした作品群である。 集落や祭礼、玩具や彫像、陶器や建築素材など、人間の営みを介して自然との関係を捉え直そうとする試みと言えよう。 チラシには「自然物と人工物との境界が曖昧になっている都市をどう生きるか」と記されている。 次の「抗うのでも回帰するのでもなく、変化をゆるやかに引き受けながら生きていく」という姿勢が本展の根底に流れていることを受け止めた。 鑑賞後に、人間自身もまた境界的な存在になっていくのではないかと考えた。 人は死や身体の衰えを遠ざけるため、骨や筋肉、血管、臓器に人工的な技術を取り込みつつある。 IPS細胞に代表される再生医療の発展も、その一例だろう。 都市において自然と人工の境界が曖昧になるように、人間自身もまた自然と人工を併せ持つ存在へと変化していくのではないか。 本展で示された<境界>という視点を手掛かりに、そのような近未来を思い描きながら会場を後にした。 *美術館、 https://www.operacity.jp/ag/exh303/ □秋の風景,収蔵品展088・寺田コレクションより ■作家:智内兄助,川村悦子,林潤一,近藤弘明,高坂和子ほか ■寺田コレクション展は、毎回異なる作家や作品によって構成されるため飽きることがない。 「秋」という共通の主題でありながら、作品ごとに感じられる空気や光、色彩は大きく異なっていた。 穏やかな情景の中にも季節の移ろいと時間の流れが感じられ、深まりゆく秋の気配に浸ることができた。 *美術館、 https://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=329 □田中藍衣 ■作家:田中藍衣 ■単色を基調とし、縦横の直線によって構成されたミニマルな作品群である。...