■リビング・モダニティ、住まいの実験1920s-1970s

■建築家:ル・コルビュジエ,ルイス・カーン,ピエール・シャロー,ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ,広瀬鎌二,アルヴァ・アアルト,ジャン・プルーヴェ,フランク・ゲーリー,菊竹清訓,菊竹紀枝,エーロ・サーリネン,アレクサンダー・ジラード,ダン・カイリー,藤井厚二,ピエール・コーニッグ
■国立新美術館,2025.3.19-6.30
■1970年代迄の住宅十数件の模型と資料(図面・写真・映像)が展示されている。 住まいの展示をみるのは楽しい。 住宅は心身に直結しているからです。
日本建築は体感的に分かる。 例えば藤井厚二の「聴竹居」は四季の温度湿度、日差しや風向など自然を意識しているので思わず頷きます。
比してインディアナ州に建てたエーロ・サーリネン「ミラー邸」の広々とした住宅は身体に届かない。 ピエール・シャロー「メゾン・ド・ヴェール」のガラスの壁はレーザ断面を見ても何とも言えない。 海外建築を取り入れた「土浦亀城邸」は階段ばかりで厄介でしょう。 加えて空中に浮かぶ清竹清訓「スカイハウス」も同じです。
気に入ったのはバラックのような建物です。 仮の宿のような住居は将来の不安が少ない。 精神が安定します。 例えばジャン・プルーヴェ「ナンシーの家」やフランク・ゲーリー邸などです。 自然への対応も容易で、特に災害が多い日本では尚更でしょう。
気に入ったのはル・コルビュジエ「ヴィラ・ル・ラク」かな。 これもシンプルな直方体で大きさもちょうど良い。 やはり自身の立ち位置と向き合ってしまいますね。 湖の畔は住居として不明ですが景色は最高です。
1970s年から既に50年が過ぎている。 全体に古さを感じさせます。 技術の向上はあったが、それよりも家族関係の変化が大きいはずです。 これが古さを速めているのかもしれない。
過去100年の前半50年という区切りは人間寿命からみて遠からず近からずの為か心身に分かり易い展示でした。