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■ピカソと20世紀美術、富山県立近代美術館コレクションから

■東京ステーションギャラリ,2015.3.21-5.17 ■最終日にどうにか間に合った。 章ごとの解説と作品キャプションが上手く連係している。 現代美術史を復習している感じだ。 考えてみればキュビズムやダダなど用語を深く理解したことはなかった。 いい加減な鑑賞しかしてこなかった反省を促されているようだ。 ところでルオーの「ミセレーレ」(一部分)が目に留まった。 この作品は観たことがあるが白黒のルオーはなかなかいい。 実はルオーは苦手である。 こんかい彼の師匠がギュスターヴ・モローだと知って少し作品に近づけたような気がした。 モロー経由の宗教をルオーに見たからである。 北陸新幹線開業記念展らしい。 ・・北陸新幹線で富山まで行きたくなった。 しかし鑑賞のついでにちょっと行くにはやはり遠い。 *館サイト、 http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201503_PICASSO_and_20.html

■ルノワール-陽だまりの裸婦-

■監督:G・ブルドス,撮影:M・L・ピンビン,出演:M・ブーケ,C・テレ,V・ロティエ ■作品全体がルノワール絵画風に撮られています。 「 カラヴァジョ 」と同じです。 ルノワールの最晩年を描いているので場所はコート・ダジュールでしょう。 いいところですね。 撮影担当も張り切っているのがわかります。 モデルのアンドレと息子ジャンが主人公のようです。 アンドレのオッパイは素晴らしい。 父ルノワールも褒めていましたね。 途中アンドレがジャンに映画を作ろうと言います。 ここでジャンの映画を思い出してしまった。 彼の映画は何本か観ています。 「大いなる幻影」(1937年作)には衝撃を受けた記憶がある。 この作品は2回みました。 2度目に観た時これは最高の反戦映画だと確信したのを覚えています。 ということで父ルノワールが霞んでしまいましたね。 父役のM・ブーケはA・レネ監督「夜と霧」(1955年作)のナレータも務めています。 2012年作品。

■石田尚志、渦まく光  ■エロール・ル・カインの魔術展

■石田尚志,渦まく光 ■横浜美術館,2015.3.28-5.31 ■ http://yokohama.art.museum/special/2014/ishidatakashi/ ■石田尚志は音楽、身体、物質を絵画映像に取り込んでいく「越境のアーティスト」なのね? 漫画の手法を取り入れた「絵巻」を基本にして、音楽を重ねたり、彼自身のパフォーマンスや、椅子や机なども対象にしていく・・。 映像作品が30くらいあったかしら? 上演時間の多くは5分前後。 時間と労力をかけている手作りの面白さはある。 でもこの短い上演時間でも飽きてしまうの。 バッハの音楽を絵巻に重ねるのは20世紀前半の実験映画を見ているようだし、パフォーマンスもポロックを思い出しちゃった。 そして椅子や窓を使った室内作品は3D映像やプロジェクションマッピングをね。 「海の壁」(2007年作)が入口に展示されてあったけどこの時代は越境できていた。 その後は「海」を越えるモノを探せなかった。 身体やオブジェも試行中で映像との新しい関係は未決にみえる。 越境できていないから「再現」に留まり観ていても飽きてしまうのね。 映像=コンピュータの完全等号も迫る今、これからどうする? ■エロール・ル・カインの魔術展 ■そごう美術館,2015.4.25-5.17 ■ https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/15/errole/index.html ■帰りは横浜駅で寄り道。 1941年生まれのカインは15歳で映像作家になり27歳で絵本作家の肩書も得たらしい。 早熟ね。 会場は絵本や映像の原画が一杯。 童話数は50はあった。 物語ごとに粗筋と原画に数行の説明が付いているの。 数枚の絵をみて物語の流れを想像しなければいけない仕組みよ。 これが結構面白い。 多くは知らない童話だけど全作品を読んでしまったわ。

■ヴァン・ゴッホ-最期の70日-

■監督:M・ピアラ,出演:J・デュドロン ■(フランス,1991年作品) ■画家を主人公にした映画はつまらない。 当たり前ですが、画家とその作品を結び付けることはできない。 昨日観た「 カラヴァッジョ 」と同じです。 しかもヌーベルヴァーグ時代の駄作をみている感じです。 ゴッホに監督が縛られてしまったのかもしれません。 1890年、オヴェール時代のゴッホを描いています。 他画家ではセザンヌの言及が多い。 「オーヴェルの首吊りの家」は二度も話題に上ります。 それと水の描き方です。 「セザンヌの水は厚紙のようだ」と言っています。 ゴッホも水を描くのは好きではなかったのですね。 彼は精神を病んでいたと聞いていましたがよく分かりません。 むしろ当時のオヴェールやパリの人間関係や生活風景がわかります。 上演時間160分は長すぎます。 *作品サイト、 http://www.zaziefilms.com/pialat/films_introduction.html