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■DOMANI・明日展

■国立新美術館、2014.12.12-2015.1.24 ■新進作家12名の約150作品が展示されている。 気に入った作家を3人選んでみた(陳列順)。 ・北野謙 ここでは珍しい写真である。 シリーズ「DAY LIGHT」と「WATCHING THE MOON」を交互に並べている。 両者共に補完され味が増している感じだ。 過去の作品「OUR FACE」もあるので時系列から作者の動機や方向性が読み取れる。 展示方法の上手さが、カルフォルニア留学の成果を目立たせている。 ・岩崎貴宏 なんと雑巾に墨汁を塗って作った工業地帯の模型である。 恐れ入った。 タオルの膨らみも丘にしている。 俯瞰の楽しさが出ている。 墨汁が濁った工業地帯を巧く表現している。 素材の意外性に感心した。  ・梶浦聖子 ブロンズや真鍮を使った鋳物工芸である。 心が和む作品が多い。 留学先のインドネシアは正解だった。 「あれは舞台だったんだ」は当に演劇の本質を言い当てている。 *館サイト、 http://www.nact.jp/exhibition_special/2014/17thdomani/

■ナショナル・ギャラリ-英国の至宝-

■監督:F・ワイズマン ■Bunkamura・ルシネマ,2015.1.17-(2014年作品) ■絵画の静止ショット、観客の鑑賞や模写、学芸員や美術史家の解説、職員達の会議、絵画の修復作業。 ギャラリーでのこれら行動を繰り返し撮影している作品です。 この中で学芸員解説と修復作業場面は面白いですね。 絵画を歴史・宗教・科学などを通して職員たちの情熱ある言葉で表現しているからです。 対象作品はホルバイン、ベリーニ、ティツィアーノ、ダヴィンチ、レンブラント、カラヴァッジョ、ターナー、スタッヴズ、ルーベンス、ゴッホ、フェルメールです。 この館の立ち上げに保険会社が絡んでいたことも興味を持ってくれと言っていましたね。 ギャラリー企画も数展映っていました。 あの2011年「 ダヴィンチ展 」もです。  それにしても3時間は長い。 絵の好きな人なら飽きませんが切りが無いでしょう。 30分くらい短くしてもよいとおもいます。 ワイズマンはこのような淡々としている流れの作品が合う監督ですね。 *作品サイト、 http://www.cetera.co.jp/treasure/

■スイスデザイン展  ■木を彫る  ■河合真理展

■東京オペラシティアートギャラリ,2015.1.17-3.29 ■スイスデザイン展 ■スイス国旗はそのままブランドマークになるところがいいわね。 企業名は聞いたことがあるけど知識は殆ど無い。 陳列されている製品の多くは日常生活から微妙にズレている感じだわ。 SIGG、BALLY、USM、FREITAG、NAEF、SWATCH、VICTORINOX・・。 日本企業と諸に衝突しているから? 日本の文化と重なる部分があるから? NESTLEのインスタントコーヒもご無沙汰だし、時計も興味がないし・・、例えばナイフなど普段は使わないもんね。 でも紙幣にホドラー、ジャコメッティ、コルビュジエが印刷してあるのはさすが。 世界的有名人だと紙幣の価値も上がりそうね。 そして後半はマックス・ビルとル・コルビュジエの展示よ。 作品全体の雰囲気がバウハウスを継承・発展させている感じなの。 でもそこから抜け出せないようにもみえる。 20世紀で止まっているようだわ。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh172/ ■木を彫る ■木版画展かな? 彫刻も少しある。 粗さがあってさすが自然体ね。 小口木版は小さい作品だけどよーく見るとスラーリとした力強い線が彫られていて凄い。 木版リトグラフも素敵ね。 作者25人で展示100点は絶妙な数だわ。 木版画の世界は森の中を歩いてきた気分がする。 充実した時間だった。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh173.php ■河合真理展 ■会場はペイントの匂いがするの。 得たいの知れない存在感ある作品が多い。 ヌラーリした厚みのある筆感を持って、対象物をのっぺらぼうに描いているからよ。 気に入ったわ。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh174.php

■ホイッスラー展  ■バロックからバルビゾンまで

■ホイッスラ展-究極の美を求めて、ジャポニスムの巨匠、待望の大回顧展- ■横浜美術館、2014.12.6-2015.3.1 ■ http://www.jm-whistler.jp/ ■測地局でのエッチング技法習得が後々迄影響しているのを知った。 「テムズ川風景エッチング集」は当時のロンドンを想像することができる。 それと「オールド・ウェストミンスタ・ブリッジの最後」の川の流れ、「バルパライソ」の海の表情が素晴らしい。 音楽用語を題名に付けているが音楽とは無関係である。 今ならNO.1、2・・と付ければよい。 この種の展示会は日本美術、特に浮世絵の影響をいつも言うがこれでは鑑賞が硬くなる。 参考の浮世絵を横に誘導陳列するのもやり過ぎの感がある。 ■バロックからバルビゾンまで-山寺後藤美術館コレクション展- ■そごう美術館、2015.1.1-1.25 ■ https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/14/yamaderagoto/index.html ■横美へ行った序でに立ち寄る。 10数点は以前に観た記憶が甦る。 帰ってからDBを調べたら1年半前の文化村展示会で出会ったようだ(*1)。 ここの館は天井が低いから作品を見下ろすようにして鑑賞する。 これが新鮮である。 しかも狭いので作品と対話せざるを得ない。 お互い粗がでてしまい気まずい感じもする。 好みの作品は少ないが結構楽しめた。 帰りにバーゲンセールの日常品を買う。 新年早々デパート美術館の戦術に嵌ってしまった。 *1、 http://ngswty.blogspot.jp/2013/10/blog-post.html

■ティム・バートンの世界  ■ミシェル・ゴンドリの世界一周展

■ティム・バートンの世界 ■森アーツセンターギャラリ、2014.11.1-2015.1.4 ■ http://www.tim-burton.jp/ ■彼の映画に興味を持っていないと面白くありません。 「ブルーガール」や「グリーンマン」など数十点くらい良いのがありましたが量が多いのでゆっくりできません。  ところで映画は「スウィーニ・トッド」と「アリス・イン・ワンダーランド」が気に入っています。 「猿の惑星」や「バットマン」はつまらない。 人により評価も分かれるはずです。 彼は問題児ですから大化けも有るということでしょう。 もちろんこれからも大化けを期待しています。 ■ミシェル・ゴンドリーの世界一周展 ■東京都現代美術館、2014.9.27-2015.1.4 ■ http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/michelgondry.html#tabs=tabs-1 ■「ホーム・ムービ・ファクトリ」つまり映画製作ワークショップが中心のようです。 会場はミュージックビデオ、「ムード・インディゴ」の関連作品が展示されています。 こちらも映画に興味がないとつまらないでしょう。 T・バートンが米ならゴンドリは仏の映画監督ですが二人の違いは面白いですね。 「ムード・インディゴ」はフランス人の心の過去と未来が混ざっているような世界が描かれていていいですね。 ゴンドリの存在はフランス映画全体を豊かにしています。 今回の二つは映画を再認識するための展示会とみました。