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12月, 2012の投稿を表示しています

■高山辰雄・奥田元宋-文展から日展へ-

■山種美術館,2012.12.1-13.1.27 ■ 高山と奥田は同年齢らしい。 「文展から日展へ」として同時代画家も展示されている。 そして日展画家と山崎種二の関係が続いている。 常設展に毛が生えたような内容だが、倉庫を少しでも空にしたい為の年末大掃除企画展のようだ。 このように特定人物に焦点をあてられると真面目に観てしまう。 奥田元宋はこの館でよく出会う一人だが、赤系が観る者の脳を麻痺させている。 「松島暮色」はいいとおもうが。 山崎種ニの話が面白い。 散歩のついでの展示内容である。 *生誕100年展 *館サイト、 http://www.yamatane-museum.jp/exh/2012/100.html

■いつか見た風景・北井一夫  ■第13回上野彦馬賞

■東京都写真美術館、2012.11.24-13.1.27 ■ http://syabi.com/upload/3/1714/kazuo_kitai.pdf ■日大芸術学部の中の散乱した靴やハンガーやトイレットペーパを撮っています。 若さからがむしゃらにシャッターを押しているのがわかります。 「いつか見た風景」でやっと余裕ができたようですね。 この頃が一番です。 しかし「村へ」はなにか漠然としています。 風景は平凡で人物構成も不安定です。 でも「境川の人々」は再び生き返りました。 理由は外部依頼のテーマだからです。 北井は強い目的を持たないと駄目になるタイプですね。 素人の匂いがする写真家です。 ■第13回上野彦馬賞、2012.11.24-12.2 ■ http://www.syabi.com/contents/exhibition/index-1789.html ■序にみました。 プロ・アマ問わず中学生から39歳迄の作品です。 写真展では1枚勝負ですが、この賞は全て5枚単位。 これが新鮮です。 1枚だけをジックリみるのと5枚をまとめて見るのは違います。 前者は観る者自身が物語を組み立てるのですが、後者は5枚の写真が物語を作り上げます。 ですからより客観的になります。 これで写真自体の感動は分散してしまい残るのは物語だけです。 みた記憶は薄くなります。 しかし面白い展示方法でした。

■維新の洋画家・河村清雄

■江戸東京博物館,2012.10.18-12.2 ■洋画家より油絵師がぴったりの画家だわ。 彼は努力家なのよ。 納期無視も職人気質から。 欧州留学前後の作品が一番素敵。 その若さも結局は日本に雁字搦めにされちゃったの。 個展を開いても人気がでないのは分かる気がする。 彼の生い立ちや周辺の人々との関係のほうが面白かったわ。 河村清雄をキーワードとして明治時代を新しい切り口でみることができたの。 面白かったら目黒美術館にも行こうかとしていたけど・・迷うわね。 *館サイト、 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/s-exhibition/past/2012/

■会田誠展・天才でごめんなさい

■森美術館、2012.11.17-2013.3.31 ■ http://www.mori.art.museum/contents/aidamakoto_main/index.html ■ 外国語ができないことを作品に取り込んで、しかもとても気にしているところが面白い。 「判断力批判」や「存在と無」も同じだ。  このノリで政治や歴史も作品にしてしまった。 これこそ彼が日本社会の縮図と言われている由縁である。 作品は二の次である。 というよりこのような作品は今の日本にどこにでも散らばっているから。 しかし絵画はなかなかである。 「ジューサミキサー」や「灰色の山」などが展示されていた部屋の作品群は面白い。 この部屋があったから個展が成り立っているといってよい。

■森と湖の国フィンランドデザイン

■サントリー 美術館,2012.11.21-2013.1.20 ■ 展示会名に縛られてしまいますね。 森や湖やフィンランドにです。 もちろん氷や高山、冬鳥などイメージが合致しているのもありますが、まとまりがありません。 しかも良し悪しに差があります。 気に入ったのは数点しかありません。 模倣からスタートした歴史から抜け出ていないのかもしれません。 でも一番の原因は作品を作っている組織が急変する現代の経済動向についていけないのしょう。 個々のデザイナーだけが出しゃばっているような感じもしました。 *美術館、 https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2012_06/index.html