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■REM  ■二人のイームズ、建築家チャールズと画家レイ

□REM ■監督:トーマス.コールハース,出演:レム.コールハース他 ■(アメリカ,2017年) ■建築家レム・コールハースの「中国テレビ局」「ザ・ロッテルダム」の写真を見たときは声が出なかった。 ゴッツイ感が充満している。 当監督はレムの息子らしい。 スケートボードで走り回る「シアトル図書館」の幕開きは素晴らしい。 しかしレムの語りには混乱してしまった。 独り言のようで何を語っているのかさっぱり理解できないからだ。 後半は慣れてきたが70分のドキュメンタリーはそのまま終わってしまった。 建築展は一度も観た記録がない。 「錯乱のニューヨーク」も読んでいない。 レムへのキッカケは不発だった。 又を期待しよう。 *アーキテクチャフォト、 https://architecturephoto.net/54021/ □二人のイームズ,建築家チャールズと画家レイ ■監督:ジェイソン.コーン,ビル.ジァージー,出演:チャールズ.イームズ,レイ.イームズ他 ■(アメリカ,2011年) ■椅子以外のことをすっかり忘れていた。 1959年の「モスクワ文化交流展」場面をみて二人の姿が甦ってきた。 幾つかの展示会も記憶があるのだがキーがマッチングしなくて記録から引き出せない。 チャールズが製造系企業(ボーイング、ポラロイド、IBM等)へ接近した頃からレイとの関係が薄くなったことを今知った。 作品「パワーズ・オブ・テン」を見て宇宙の大きさが何であるかを把握したことを覚えている。 超弦理論でいうプランク長(10マイナス30乗メートル)の世界からみた1メートルは、その世界(1メートル)にいる我々が宇宙の果てを見た距離(10の30乗メートル)と相対的に同じである。 この作品は、世界の極小と極大を比較することにより距離概念に新たな視点を与えてくれた。 針の穴ほどから爆張したビックバン理論も宇宙140億光年の果ても恐れることはない、と言うことを。  *映画com、 https://eiga.com/movie/77947/

■デヴィット・リンチ、アートライフ

■監督:ジョン.グエン他,出演:デヴィット.リンチ他 ■(アメリカ・デンマーク合作,2016年) ■映画監督デヴィット・リンチの作品は欠かさず観て来たが彼の経歴はよく知らなかった。 ギャラリー等で彼の絵画・版画に何度か出会ったことがある。 この映画は1946年リンチ誕生から「イレイザーヘッド」(1976年)デビュー迄の30年間を撮ったドキュメンタリーである。 作品を作りこむ近況のリンチを映しながら、随所に過去の写真を入れインタビュー音声を被せた構成だ。 リンチの青春は美術一筋だったことが判明した。 「画家になる!」と、電流が流れるように決めたと彼は語っている。 絵画や版画の出来が素人を越えていた理由が今わかった。 そしてAIF奨学金を得てから映像へと方向を切っていく。 彼の子供時代が活き活きと描かれている。 両親や弟妹、学校や近所の友人と豊かな人間関係を形成したらしい。 子供時代を人生の宝として彼は持ち続けているのだろう。 作品に<手作りの楽しさ>があるのは宝の一つだとおもう。 苦しい1960年代に絵画を描き続けられたのも宝の貯金かもしれない。 カルトの帝王であるリンチの作品が持つ豊かさの源泉に遡ることができた。 *映画com、 https://eiga.com/movie/87079/

■炎の人ゴッホ  ■ゴッホ、真実の手紙

□炎の人ゴッホ ■監督:ビンセント.ミネリ,出演:カーク.ダグラス,ジェームズ.ドナルド,アンソニー.クイーン他 ■(アメリカ,1956年) ■これは西部劇だ。 拳銃はぶらさげていないが・・。 ゴッホ役カーク・ダグラスはもちろんのこと、風景や音楽の全てに19世紀後半のアメリカ西部の匂いが漂う。 ゴーギャンがメキシコから流れてきたガンマンに見えてしまう。 ゴッホの孤独とはどういうものなのか? 弟テオやゴーギャンとの関係からみると人恋しさが人一倍強い感じがする。 でも彼の精神状況はこの作品ではよくわからない。 描き方が粗い。 コロナ在宅が短ければこの作品に出会わなかった。 *映画com、 https://eiga.com/movie/49437/ □ゴッホ,真実の手紙 ■監督:アンドリュー.ハットン,出演:ベネディクト.カンバーバッチ,ジェイミー.パーカー他 ■(イギリス,2010年) ■これは面白い。 ゴッホの書簡を抜粋して物語が組み立てられている。 全902通の多くは弟テオとの遣り取りだ。 カンバーバッチもゴッホ役が似合わない。 カーク・ダグラスとは真逆だが。 しかしドキュメンタリー風のため気にならない。 ゴッホはロンドンでディケンズの作品に出会っている。 農民を描く時の血肉になっているようだ。 ゾラの影響もみえる。 左耳を切り落とした頃はシェイクスピアに夢中になっていたらしい。 ヘンリー四世や五世、リア王のことが語られる。 ゴッホは結構な読書家にみえる。 彼の新しい一面を知った。 *Filmarks、 https://filmarks.com/movies/61644