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■曽根裕展

■東京オペラシティアートギャラリ、2011.1.15-3.27 ■ http://www.operacity.jp/ag/exh126/j/introduction.html ■7作品のうち5点が大理石。 少ないから会場はスカスカよ。 それで?植木が一杯ね。 「リトル・マンハッタン」でブロードウェイを南下したけどワクワクしなかった。 ビル群に鋭さが無いからよ。 グリコのおまけのようなエンパイアビルだわ。 それよりハドソン川とイースト川に落ち込む絶壁が凄い。 そこが見どころね。 他では「木のあいだの光1、2」で光を大理石で表現しているところ。 ここは面白いわ。 大理石のため作成過程が凝縮していると思うと神妙になるけど、このような対象を石で作るのには違和感があるわ。 この感じがいいのかもしれないけど感動には至らないの。 なにかミスマッチなのよ。 ビデオも含めてつまらないの一言。 展示会のカタログを見たら、ビデオは依頼、大理石も職人へ依頼とあった。 現代では共同作業はあたりまえね。 先日「スパイダーマン」の衣装作成番組をテレビでみたけど出演の石岡瑛子はプロジェクトリーダーそのものだわ。 計画遂行力、組織統率力そして交渉力がないと共同作業はできない。 こうなると作品も商品に一層近づいていくし・・。 これからの芸術家は大変ね。

■文化庁メディア芸術祭、期待と興奮の12日間

■国立新美術館、2011.2.2-13 ■ http://plaza.bunka.go.jp/ ■仕事でいつもパソコンを覗きこんでいるから遊びの時くらいは画面を見たくない。 しかし作品の多くはこれだ。 受賞作は他人とはほんの少し違うアイデアで決まる。 ニッチ(すき間)を探せるかだ。 二千点の応募があるのも受賞が夢ではないから。 アート部門の「10番目の感傷」は模型電車に豆電球を乗せ影絵を楽しむレトロな感覚な時代錯誤のある作品だ。 「NIGHT LESS」はGOOGLEストリートヴィューだけを編集した映画。 まさしく21世紀のロードムービー(?)。 エンターテインメント部門はTWITTERやWEBを利用した作品が多い。 アニメ部門は「フミコの告白」と「THE WONDER HOSPITAL」を観たが面白いとは言えない。 マンガ部門は立ち読みができるようになっていたが手に取る力が残っていなかった。 受賞約100作品が展示されてあったが、ほんの一部を見るだけで丸一日かかってしまった。 電子技術の発達、ソフトウェアの複雑さだけではもはや驚かくなってしまった。 これらは芸術とは言わず、もはや日常生活の風景として必要時に取り込むことでよいとおもう。

■倉俣史朗とエットレ・ソットサス展、夢見る人が夢見たデザイン

■2121デザインサイト,2011.2.2-5.8 ■バラの造花をアクリル樹脂で包んだ椅子をパリで展示したい! 日本で展示しても目立たないわ。 その理由はとても日本的な作品だから。 白の大理石?に宝石を散りばめたような机、TOKYO,KYOTOは素敵滅法の一言ね。 でも素材が脆いので形が崩れていくような感じがするの。 そして重力を嫌う作品ばかり。 だから死の匂いがしないのよ。 A・タルコフスキーの映画を話題にしてるけどS・キューブリックの方がお似合いね。 倉俣に比べてソットサスは現実から出発しているようね。 オリベッティのバレンタインが彼のデザインだと知って嬉しいわ。 先日観た「 ハートビート展 」でのA・ギンズバーグと同人雑誌を出しているの。 人的ネットワークは凄いわ。 さすがメンフィス・グループね。 上手く言えないけど倉俣はプラトン的でソットサスはアリストテレス的よ。 でも視線は同じ方向のようね。 展示方法は素直だったから少し物足りなかったけど・・。 *美術館、 http://www.2121designsight.jp/program/krst/index.html#top

■ハートビート展、時代にキスして

■ワタリウム美術館,2011.1.22-4.17 ■過去にこの館で展示会を開いた芸術家の回顧展らしい。 でも多くの観客は直ぐに退場していたからつまらない展示みたい。 興味の無い人なら作品は塵と同じ。 だからボイス、パイク、ギンズバーグのビデオを見るしかない。 アレン・ギンズバーグの「ポエム リーディング」(1988年)は観世栄夫の笛をバックにビート詩人が吠えてるからとても面白く観れた。 ヨーゼフ・ボイス、ナムジュン・パイクのパフォーマンスもいいけど詩の朗読も面白い。 結局は14人の芸術家の入門展ね。 でも一人一人にすると寂しい展示になってしまう。 だから地下の本屋に関連本が置いてあり、これらを読んで下さいという手順なの。 ハートビート・・、時代にキスして・・。 少しばかり古臭さがあって1980年頃と素敵にマッチしてたのは題名だけね。 *館サイト、 http://www.watarium.co.jp/exhibition/1101heartbeat/index.html

■三代徳田八十吉展、煌めく色彩の世界

■そごう美術館,2011.1.2-2.13 ■「古九谷は嫌いだ!」と若い時の三代目徳田八重吉の言葉がでていたが作品を見てもそれがわかる。 三代目は芸術的センスが無い。 彼は職人であり仕事師だ。 そして色に全力を投じた。 しかし形は無残だ。 彼は1980年代にロケットを手に入れて、1990年代にそれに乗り込み打ち上げた。 地球を回る人工衛星から地球を、宇宙を見た色がこれだ! 黄色は太陽の色、紺は宇宙の果ての色。 中間色は海、砂漠、熱帯雨林、オーロラ、雷、・・。 亡くなる5年前から形が決まってきた。 深厚耀彩十八稜壺(2004年)、十二稜壺(2006年)、碧明耀彩曲文壺(2006年)、多面壺(2008年)。 作品名に形が入ったこれらは三代目の到達作品である。 三代徳田八十吉の色は地球系色である。 そして太陽系色の中心はなんといってもインターナショナル・クライン・ブルーであろう。 残念ながら銀河系色はまだ見たことが無い。 展示会場を後にした時は素晴らしい宇宙を飛び回ってきたような感じだった。 *館サイト、 https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/11/0102_tokuda/