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11月, 2015の投稿を表示しています

■Fumihiko Maki、Maki and Associates 2015-時・姿・空間、場所の構築を目指して-

■代官山ヒルサイドテラス,2015.10.17-29 ■建築家槇文彦の事務所創立50周年展。 槇のこのような大きな展示会は初めてかも。 彼の作品の一つ代官山ヒルサイドテラス内の3個所で開催しているの。 ざっと観るだけでも2時間は必要ね。 よく見る作品はこの会場の代官山とスパイラルホールとテレビ朝日、あと映像だけどEテレ「スーパープレゼン・・」の冒頭に映しだされるMITメディアラボくらいかな? 海外など広範囲で活躍しているから作品を見ることはあまりない。  彼の作品は機能が複雑になるとデザインが継ぎ足しのようになる。 名を捨て実を取っているようにみえる。 たとえばこの代官山も緊張感が解れてとても歩きやすい。 下町の裏道を意識するだけではなく若さも感じられる。 副題の通り広い範囲の場所の構築を目指している。 やはり1棟勝負だと作る方も利用する方も疲れるもんネ。 *主催者サイト、 http://www.maki-and-associates.co.jp/news/index_j.html?nw=16

■プラド美術館展-スペイン宮廷 美の情熱-

■三菱一号館美術館,2015.10.10-2016.1.31 ■エル・グレコでも見て劇的感動に浸ろうと行ったが、なんと作品がみな小っちゃい! 章タイトル名も芸術史から抜き出したように難しい。 スペイン本国の展示会を再構築したものらしい。 その為か日本の美術館が企画したとは思えない作品範囲・選択・順序である。 日本で企画した日本近世美術展をマドリードで開催したときのスペイン人の混乱と同じ感じだろう。 しかしこのように翻訳をしない展示会は観客を強くする。 どんどん増やして欲しい。 ところで「キャビネット・ペインティング」はこの美術館の為に用意された言葉に聞こえてしまった。 *三菱一号館美術館開館5周年記念展 *館サイト、 https://mimt.jp/exhibition/pdf/outline_prado.pdf

■アルフレッド・シスレー展-印象派、空と水辺の風景画家-

■練馬区立美術館,2015.9.20-11.15 ■シスレーは素人からみて親しみが持てる画家ですね。 これなら自分でも描けるのではないか? 友達になれそう、と思ってしまうからです。 面白かったのは印象派の「新しい水面」を河川工学から論じている章です。 つまり固定堰、ペルテュイ(可動堰?)、閘門の設置です。 水深を調整して洪水を防ぎ上り下りの船を走らせる為です。 これによりセーヌ川の流れが緩やかになり印象派好みの陽光の煌めきある水面が現れた。 ちょうど画家たちの生まれた頃から河川工事が始まったらしい。 彼らが筆を取る時期には新しい水面が見られたと言うことです。 付録として「東京の河川風景」が展示されていました。 なんと荒川とセーヌ川を比べている。 今の隅田川が昔の荒川の流れで、現在の荒川は新しく造った荒川放水路だったことを思い出しました。 実は小学校で習ったはず? 荒川・隅田川周辺と神田川・渋谷川・目黒川の河川に沿って低地になっている地図などもあり自然災害への対応を改めて確認しました。 今回はシスレ→新しい水面→セーヌ川工事→洪水防止→荒川工事という思いもよらない展開でした。 会場を後にしながら誰の展示会だったか一瞬思い出せませんでした。 *館サイト、 https://neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=m10066

■氷の花火、山口小夜子

■監督:松本貴子,出演:天児牛大,高田賢三,山本寛斎ほか ■イメージフォーラム,2015.10.31- ■出来の良いドキュメンタリー作品である。 山口小夜子の閉じられていた遺品を学校の後輩が開封するのでストーリーに膨らみが出ている。 遺品の中では人形と、愛読書に寺山修司・安部公房の多かったことが印象に残る。 上映後、監督の挨拶があったが本当に挨拶だけだった。 ・・。 ランウェイを歩くのはダンスと同じである。 表情、身のこなし、歩き方・・、身体と衣装の一体となる瞬間が現れる。 ファッションモデルから舞踏、ダンス、演劇に向かったのは彼女が鮫のように泳ぎ続けるタイプだからだろう。 しかし彼女の動きはどこかぎこちなく見える。 精神的にいつも何かに追いかけられている感じだ。 「美しいことは、苦しいこと」には偽りのない本心が聞こえる。 多くの関係者が声を高くして彼女を称賛しているが何かを隠しているようにもみえる。 「・・謎めいた実像に迫る」とチラシにあったが、謎のままでいるほうがよいのではないかと観終っておもった。 *作品サイト、 http://yamaguchisayoko.com/

■フランク・ゲーリー/パリ、フォンダシオン、ルイ・ヴィトン建築展

■エスパス・ルイヴィトン,2015.10.17-2016.1.31 ■デザインサイトで開催している「 フランク・ゲーリー展 」の続きですね。 もちろんパリのルイ・ヴィトン財団オープニング記録展です。 ゲーリー得意の模型で特に敷地との融合、アイスバーグ、ガラスの帆などが歴史的に語られています。 ビデオ5台で建築現場進捗写真と施設公演での音楽・美術紹介が映写されている。 写真は基礎工事から見せてくれるので建物の構造がある程度分かります。 ブローニュの森に位置する財団建物と遠くにエッフェル塔が見える航空写真の展示会チラシが素晴らしい。 今これを書いている時にもこの写真を眺めています。 *館サイト、 http://www.fondationlouisvuitton.fr/ja/la-fondation.html

■久隅守景-親しきものへのまなざし-

■サントリー美術館,2015.10.10-11.29 ■初めて聞く画家である。 狩野探幽の弟子だからここまでの展示会ができるのかもしれない。 さすが風景から人物・動植物なんでもある。 墨画はスッキリしている。 無駄な線が無い。 でも馬は上手いとは思えない。 大きな動物は苦手なのでは? 「鷹狩図屏風」を見ていたら鴨鍋を食べたくなってしまった。 娘雪信の作品もあったが父より劣る。 風景より人物の方が巧い。 息子彦十郎も悪くはない。 狩野派の裾野から江戸の農村風景を眺めたような気分である。 安定し始めた時代の雰囲気が漂っている。 *館サイト、 http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_5/?fromid=topmv

■建築家フランク・ゲーリー展

■ディレクター:田根剛 ■21_21DESIGN SIGHT,2015.10.16-2016.2.7 ■ゲーリーのオフィスをみてわかりました。 彼は身体すべてを使って建築を考える。 その身体の化身が模型です。 「人がそこに居たい建築を作りたい」は身体が喜ぶことです。 その模型を具現する手段としてコンピュータを使った。 この一連の流れが時代と同期したのだとおもいます。 しかしあのトタンを重ね合わせたような、グニャと潰れたような建築が呆れるほどの試行錯誤と最先端の技術でできているとは知らなかった。 エントロピーが大きくみえるものほど膨大な知識と情報が必要ということですね。 しかも彼のコンピュータ技術は手段としてだけではなく目的にも使い建築家の存在意義を大きく変えたことでしょう。 会場は小学生が作ったような紙細工ばかりでしたが当に「I Have an Idea」を体感しました。 *館サイト、 htt p://www.2121designsight.jp/program/frank_gehry/

■アジアの日常から-変容する世界での可能性を求めて-

■ギャラリー間、2015.10.17-12.12 ■ http://www.toto.co.jp/gallerma/ex151017/index.htm ■1階は中国、シンガポール、ベトナム、2階に行ってタイ、日本の5組の若手建築家の展示です。 日常社会や自然環境の違いがありますが、現実問題からスタートしているのでどれも同じにみえます。 この中でタイは屋台の上に安玩具や煙草など並べ、その入れ物の間に繁華街の通りを作っているという面白い展示方法を取っています。 アジアの繁華街は特別ですね。 しかしベトナムが自転車からバイクそして自動車へと進む中、各国の差異はみえなくなっています。 アジアの日常とは何か? カラダではわかるのですがこれからの建築との関りはよくわかりませんでした。 関係者のシンポジウムや連続講演会があるようです。 出席しないと展示会が完結しないのかもしれません。 F・ゲーリー展の帰りに立ち寄ったのですが、地下で開催していた手塚展にも足を運びました。

■手塚貴晴+手塚由比の建築106作展

■セラトレーディング東京ショールーム,2015.10.20-12.22 ■「建築カタログ3」発刊記念企画展です。 風呂、シャワー、洗面器等々のTOTOショールームに手塚作品の模型が展示されています。 カタログ1,2,3が置いてあったのでざっとですが全て見てきました。 手塚作品は見覚えがあります。 庇が目立つコルビュジエ風で南側壁を取り払って一枚ガラス窓にした住宅です。 このようなガラス窓の大きい家に住んでみたい気もします。 でも精神的に強くないと潰されそうですね。 企業建築はミース風になります。 トヨタショールームなど鉄と硝子で機能的ですね。 そして幼稚園の屋根が運動場になっている作品は面白い。 狭い土地には持って来いです。 屋根から地上に滑り台が降りているのは子供も喜ぶでしょう。 ついでにバスタブも見学してきました。 風呂好きを満足させてくれます。 *館サイト、 http://www.cera.co.jp/news/36