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12月, 2023の投稿を表示しています

■オラファー・エリアソン展、相互に繋がりあう瞬間が協和する周期 ■麻布台ヒルズ

■麻布台ヒルズギャラリー,2023.11.24-24.3.31 ■未だ見ていない麻布台ヒルズは来年行こうかな? と考えていたが今日にしました。 ・・神谷町駅を降りガーデンプラザAにあるギャラリーへ。 「オラファー・エリアソン展」は小規模ですね。 作品は10数点しかない。 そう、ホースから水を勢いよく出しストロボ照明をあてる大作が1点ありました。 さすが水のエリアソン。 作家のインタビュー映像をみて開催理由が分かりました。 タワー棟のオフィスロビーに彼の作品が常設されたからです。 これに関連した展示会らしい。  そしてヒルズを見学する。 だいぶ歩き回りました。 建物が分散しているからです。 春に開催された「 ヘザウィック・スタジオ展 」で模型を見ていたが、実際のコンクリートに石を混ぜ合わせた外壁とそのデザインは素晴らしい。 色彩も落ち着いていますね。 でも「緑あふれる・・」とあったが周囲は未だ草地です。 そしてレジデンスBも未だ工事中です。 遅れている理由をビジネス誌で読んだが建設会社も苦労しているらしい。 タワー高層階へ上ろうとしたが今日は貸し切りでした。 残念! ところでオフィスロビーにエリアソンの作品数個が宙に浮かんでいた。 材料は廃棄物を製錬した亜鉛のようです。 この亜鉛色の小さな立法体が連なって渦を巻いているのだが少し地味に見える。 でも「 私たちのエコロジー 」に繋がっていくのはお見事です。 昼食時だったのでタワー低層部のレストランを回る。 先日の虎門ヒルズと比較して昼食は千円高い。 理由は虎ノ門が会社員、麻布台は住人を対象にしているからでしょう。 しかも近隣には高層マンションが多い。 都心風景の変化が近頃は早すぎる。 それでも南側を歩くと霊友会やロシア大使館、白井晟一設計のノア・ビルなどは昔のままでした。 ところで六本木五丁目プロジェクトも開始されたようだがここもヒルズになるのでしょうか? ヒルズで埋め尽くされそう! *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、オラファー・エリアソン ・・ 検索結果は3展示 . *麻布台ヒルズ、 https://www.azabudai-hills.com/index.html

■2023年美術展ベスト10

*当ブログに書かれた美術展から選出. 並びは開催日順. 映画は除く. ■ クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ   東京都現代美術館 ■ 合田佐和子展、帰る途もつもりもない   三鷹市美術ギャラリー ■ ヘザウィック・スタジオ展   東京シティビュー ■ 本橋成一とロベール・ドアノー   東京都写真美術館 ■ 田沼武能、人間賛歌   東京都写真美術館 ■ デイヴィッド・ホックニー展   東京都現代美術館 ■ イヴ・サンローラン展、時を超えるスタイル   国立新美術館 ■ ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン   アーティゾン美術館 ■ 大巻伸嗣、真空のゆらぎ   国立新美術館 ■ 倉俣史朗のデザイン、記憶の中のなかの小宇宙   世田谷美術館 *昨年の美術展ベスト10は・・「 2022年美術展ベスト10 」.  *今年の舞台ベスト10は・・「 2023年舞台ベスト10 」. *今年の舞台映像ベスト10は・・「 2023年舞台映像ベスト10 」.

■蜷川実花展、瞬きの中の永遠 ■虎ノ門ヒルズ

■虎ノ門ヒルズ・ステーションタワー・TOKYONODE,2023.12.5-24.2.25 ■オーバル広場を歩いていて8年前に見学したことを思い出しました。 当時の虎ノ門ヒルズは森タワー一棟しかなかった。 現在はステーションタワー、ビジネスタワー、レジデンシャルタワーの三棟が追加されている。 先ずは東京ノードで「蜷川実花展」を観る。 ステーションタワー8階入口から45階へ。 天井が高くて気持ちが良いですね。 そして・・花・蝶・金魚に囲まれた作品群の中を歩くのは楽しい。 蜷川実花は写真家より映像作家へ比重を移しているらしい。 気に入ったのは「Breathing of Lives」「Embracing Lights」。 この2作は都市と自然が対象だが似ている。 前者は<日本の季節>に接するように都市を撮影している。 後者では<季節の記憶>が表現されている。 柔らかな海の波、機内からみた雲、光り輝く青空、湿気の多い空気、どれもが懐かしい。 ヒルズ開館記念展として満足しました。 ステーションタワーの店舗は未だ開店前が多い。 ということでビジネスタワーの低層部へ行く。 昼食時の「虎ノ門横丁」を見てきました。 混み合うのは夕刻からでしょう。 しかしこの界隈は何もない。 ヒルズ完成でビジネス街として一層近づきましたね。 虎ノ門ヒルズ駅ができて便利になったのは確かです。 *虎ノ門ヒルズ、 https://www.toranomonhills.com/ *🐸の Twitterへ ・・

■キース・ヘリング展、アートをストリートへ

■森アーツセンターギャラリー,2023.12.9-2024.2.25 ■太くて絵文字のような作品は思わず笑顔を誘い、一度見たら忘れられない。 場内も華やかです。 1980年代ニューヨークが再現されている。 辛辣なメッセージも含まれていますね。 彼は心に決めていた。 「行くべきところはニューヨーク以外になかった!」と。 ゲイ・AIDS・天使は1980年代の裏NYを代表する語句かもしれない。 彼はそれを受け入れ消化する力を持っていた。 公共へ目を開いたのが幸いです。 その場をアートで解放した。 そして彼は「社会貢献活動を多く行ない、AIDS撲滅活動や恵まれない子供たちへ・・」天使のごとく振舞った。 30歳の生涯を全力で駆け抜けましたね。 *美術館、 https://macg.roppongihills.com/jp/exhibitions/keithharing/index.html

■私たちのエコロジー、地球という惑星を生きるために ■さわひらき ■地主麻衣子

■森美術館,2023.10.18-2024.3.31 ■「環境危機に現代アートはどう向き合うのか?」。 会場は「全ては繋がっている」「土に還る」「大いなる加速」「未来は私たちの中にある」の4章でまとめている。 具体物をアートに変換、過去との比較や回帰、将来の方向性を示唆、などなど多彩です。 環境に無関係にみえる作品もある。 その中で2章「土に還る」は日本の環境問題を扱っていて政治的です。 米国核実験で被災した第五福竜丸事件やチッソ水俣病事件、1970年前後の排気ガス、これら放射能や薬品、大気汚染への告発作品は先鋭的です。 そして映像の力は強い。 20作品くらいあったが、長中編(20分前後)は次の4本を選ぶ。 「時の矢」(エミリヤ・シュカルヌリーテ)、「ナイト・コロニー」(アピチャッポン・ウィーラセタクン)、「制御された炎」(ジュリアン・シャリエール)、「人と神と泥について」(アリ・シェリ)。 上記では「人と神と泥について」がいいですね。 ナイル川近郊で昔ながらのレンガ造りを撮影した作品でマッタリ感があり心身が緩みました。 このような風景はなくなる運命ですか? この展示会は環境抜きで先ずは素直に観たほうがよい。 あとからナルホドと環境に連携できれば尚よいでしょう。 *美術館、 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/eco/index.html NAMコレクション「さわひらき」の会場はテレビ画面で数作品を上映していた。 多くは以前観たものです。 NAMプロジェクトでは地主麻衣子の「空耳」が展示されていました。 *美術館、 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamcollection017/index.html *美術館、 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamproject031/index.html

■倉俣史朗のデザイン、記憶の中のなかの小宇宙

■世田谷美術館,2023.11.18-24.1.28 ■倉俣史朗が亡くなり既に30年も経っている。 でも彼の家具はまったく歳をとらない。 家具となったガラスやプラスチックや金属から時間がつるっと滑り落ちてしまっている。 時間が付着できない。 それは重力を消している為かもしれない。 時間は重力に吸い付く。 「ガラスがプラスチックを真似る時代だ・・」。 家具はどれも軽くて明るい。 「裁判官の椅子は替えたほうがよい・・」。 権力はどこまでも重い椅子で押さえつけてくる。 パリ国立高等美術学校でのインタビューが上映されていた。 作者への質問は「「ミス・ブランチ」は狂気寸前の匂いがあるようだが、いかがか?」。 ヨーロッパの生活・文化には薔薇が深く入り込んでいる。 彼らには「ミス・ブランチ」に沢山の意味が付着して見えるのかもしれない。 多くの日本人は梅や桜と違い薔薇に深い意味を持たないはず。 歴史も文学も無い。 薔薇はバラになり浮遊し重力も時間もなくなる。 「ミス・ブランチ」に狂気を見出すのは深読みです。 ところで作者がこの質問に何と答えたのか聞きそびれてしまった。 *美術館、 https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00216 *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、倉俣史朗 ・・ 検索結果は2展示 .

■大巻伸嗣、真空のゆらぎ

■国立新美術館,2023.11.1-12.25 ■大巻伸嗣(おおまきしんじ)・・、初めて知る作家かもしれない。 先ずは(1章)大きな籠のようなものがドカンと置いてあるのに驚く。 でも、ありきたりな感じもします。 次(2章)はフォトグラム。 光と影、ボヤケとユラギ。 なかなかいい。 そして(3章)舞台美術。 ダンス映像もある。 映像では美術が脇役にみえる。 ドローイングに目が釘付けになる。 力強い線です。 作者の自信が零れている。 4章は暗い会場に揺れなびく布の「真空のゆらぎ」。 タイトルロールの通り、見た途端にこれが今日の山場だと分かります。 暗闇の海岸に打ち寄せる大波にもみえる。 ずーっと見ていると不思議な気分になってきますね。 これはソラリスの海か? 知らない惑星に降り立って海を見ている自分とは誰(何)か? 5章は水彩画。 先日の「横尾忠則、寒山百得」と同じコロナ下という環境で作られた即興画らしい。 水彩の抽象画だが。 6章は映像「Rustle of Existence」。 17分なので最後まで観る。 字幕は詩に近い。 雑木林を映している。 人類の遠い出生、その輪廻を感じさせる。 これも気に入りました。 再びドローイング(7章)。 舞台のドローイングと同じように即興的で力強い身体性の動きがみえる。 幅広い分野に関心を持っている作家にみえます。 もう名前は忘れないでしょう。 舞台芸術で出会えるのが楽しみです。 ところで、この展示はチケットを購入しないで入場できた。 チケの有無の違いは何か? 入場料を払っても、お釣りが戻る内容でした。 *美術館、 https://www.nact.jp/exhibition_special/2023/ohmaki/index.html *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、大巻伸嗣 ・・ 検索結果は2展示会 .