■倉俣史朗のデザイン、記憶の中のなかの小宇宙

■世田谷美術館,2023.11.18-24.1.28
■倉俣史朗が亡くなり既に30年も経っている。 でも彼の家具はまったく歳をとらない。 家具となったガラスやプラスチックや金属から時間がつるっと滑り落ちてしまっている。 時間が付着できない。 それは重力を消している為かもしれない。 時間は重力に吸い付く。
「ガラスがプラスチックを真似る時代だ・・」。 家具はどれも軽くて明るい。 「裁判官の椅子は替えたほうがよい・・」。 権力はどこまでも重い椅子で押さえつけてくる。
パリ国立高等美術学校でのインタビューが上映されていた。 作者への質問は「「ミス・ブランチ」は狂気寸前の匂いがあるようだが、いかがか?」。 ヨーロッパの生活・文化には薔薇が深く入り込んでいる。 彼らには「ミス・ブランチ」に沢山の意味が付着して見えるのかもしれない。 多くの日本人は梅や桜と違い薔薇に深い意味を持たないはず。 歴史も文学も無い。 薔薇はバラになり浮遊し重力も時間もなくなる。 「ミス・ブランチ」に狂気を見出すのは深読みです。 ところで作者がこの質問に何と答えたのか聞きそびれてしまった。
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、倉俣史朗 ・・検索結果は2展示.