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3月, 2020の投稿を表示しています

■超写実絵画の襲来

■Bunkamura.ザミュージアム,2020.3.18-5.11 ■28作家が揃うと写実の違いが分かって面白い。 世界をそのまま描いているにも拘らずこれだけ違って見えるとは驚きです。 「ディティールは描きこまない」「細部にこだわらない」。 作家もいろいろですね。 それを越えて写実絵画に共通しているものとは何でしょう? 「存在感がある」「美意識が滲み出ている」。 やはりいろいろです。 展示会場を一回りして、記憶に残った作家は静物の五味文彦、風景の原雅幸です。 彼らの作品を前に「息をのむ」のは確かです。 息をのむことができるか!?が写実絵画の必要条件かもしれない。 「いきをのむ」は世界の歪みに出会った時の身体動作です。 現実世界が歪んでいることを教えてくれるのが写実絵画とも言えます。 *ホキ美術館所蔵展 *館サイト、 https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_choshajitsu/ ■金子国義展、聖者の作法 ■没後5年を迎えての金子国義です。 油絵も展示されていて見応えがあります。  *館サイト、 https://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/200311kaneko.html ■英国・米国作家によるフィギュラティウブアート展 ■「フィギュラティブアートとは、空想や逸話から生まれるものではなく、現実にある人物や動物、建物などを題材に制作されたアートのこと」。 初めて聞く言葉ですが意味が広いですね。 英米画家のこの種の作品をみると、いつもアンドリュー・ワイエスに繋がっていく。 *館サイト、 https://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/box_200325figurative.html

■深井隆、物語りの庭

■板橋区立美術館,2020.3.7-5.10 ■深井隆の作品は西洋形而上学を彫刻で表現したようにみえる。 日本の美も微かに感じる。 この絶妙さがいい。 「・・彫刻の展示空間に物語が存在する・・」とチラシに書いている。 まさに彼の作品はその空間と一体化しないと物語が熟成しない。 でも、この美術館は相性が悪いようだ。 受付の騒めき、入ってくる外光が物語を遠ざける。 場内職員の動きも雑だ。 館内に日常が充満している。 奥の部屋は外から遮断されるが窮屈に感じる。 空間が狭すぎる。 「青空2020」の翼が伸び切っていない。 「王と王妃」の椅子たちの後空間に余裕が無い。 部屋を二つにした「月の庭」は一つが妥当だろう。 近づいていく時に、作品の後ろ空間から物語がやって来くるような出会い方をするからだ。 立ち止まって、周辺の空間と共に作品が物語を紡ぎだしていく。 小作品は暗めの部屋に、大作品は数を半分にすれば密な対話が近づくはずである。 *館サイト、 https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4000017/4000024.html *「このブログを検索」に入れる語句は、 深井隆

■ジェイン・ジェイコブズ、ニューヨーク都市計画革命  ■ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ

□ジェイン.ジェイコブズ,ニューヨーク都市計画革命 ■監督:マット.ティルナー,制作:ロバート.ハモンド,声:マリサ.トメイ他 ■(アメリカ,2016年作品) ■ジェイコブズを初めて知りました。 1916年米国生まれのノンフィクション作家である彼女は1960年代の都市開発、特にニューヨーク再開発を批判する活動家でもあった。 作品では次の反対運動を取り上げています・・ 1.ワシントン広場公園道路計画 2.ウェスト・ビレッジ公営住宅計画 3.サウス・ブロンクス高速道路計画(運動は失敗?) 4.ローワー・マンハタン道路計画 そして彼女が進めた「街を元気にする4大原則」とは・・ 1.街路は幅が狭くて曲がっている(歩行優位と風景濃密化) 2.古い建物をできるだけ残す(低家賃で学生や芸術家の呼込) 3.二つ以上の働きを持たせる(多様な目的と人材の獲得) 4.人口密度が十分高い(コミュニティの活性化) この4大原則は具体的に語られません。 彼女の思想は表面的にとどめている。 むしろ当時の彼女の力強い行動力が前面に滲み出ています。 今のニューヨークは戦後再開発と反対運動のせめぎ合いの結果を眺めているのですね。 南下してユニオン・スクエアを過ぎると、いつもホッとできるのは彼女の運動成果でしょうか。 *映画comサイト、 https://eiga.com/movie/88380/ □ニューヨーク,ジャクソンハイツへようこそ ■監督.録音.編集.制作:フレデリック.ワイズマン ■(アメリカ.フランス,2015年作品) ■ジャクソンハイツを地図で探しました。 都心から30分のクイーンズ地区ですか。 ここも再開発に巻き込まれている。 大都市の宿命ですね。 コミュニティの場を多く撮っています。 例えば教会・誕生会・老人会・寺小屋・教育委員会・床屋・レストラン・ダンス教室・タクシー講習会等々の集会所で住民同士の世間話を映し出し、その隙間に街の風景を流す方法です。 このリズムが3時間も続くところが作品の特長と言える。 長く見ていると街の雰囲気が身体に沁みつくからです。 この町で167の言語が話されているとは驚きです。 アメリカ国民としての拘り、役所や警察など権力組織との緊張などなど移民の街としての特徴が描かれていく。 同時にLGBTなどの少

■縛られたプロメテウス Prometheus Bound

■感想は、「 縛られたプロメテウス 」 *話題は,「小泉明郎」「VR」.