■ジェイン・ジェイコブズ、ニューヨーク都市計画革命  ■ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ

□ジェイン.ジェイコブズ,ニューヨーク都市計画革命
■監督:マット.ティルナー,制作:ロバート.ハモンド,声:マリサ.トメイ他
■(アメリカ,2016年作品)
■ジェイコブズを初めて知りました。 1916年米国生まれのノンフィクション作家である彼女は1960年代の都市開発、特にニューヨーク再開発を批判する活動家でもあった。 作品では次の反対運動を取り上げています・・
1.ワシントン広場公園道路計画
2.ウェスト・ビレッジ公営住宅計画
3.サウス・ブロンクス高速道路計画(運動は失敗?)
4.ローワー・マンハタン道路計画
そして彼女が進めた「街を元気にする4大原則」とは・・
1.街路は幅が狭くて曲がっている(歩行優位と風景濃密化)
2.古い建物をできるだけ残す(低家賃で学生や芸術家の呼込)
3.二つ以上の働きを持たせる(多様な目的と人材の獲得)
4.人口密度が十分高い(コミュニティの活性化)
この4大原則は具体的に語られません。 彼女の思想は表面的にとどめている。 むしろ当時の彼女の力強い行動力が前面に滲み出ています。 今のニューヨークは戦後再開発と反対運動のせめぎ合いの結果を眺めているのですね。 南下してユニオン・スクエアを過ぎると、いつもホッとできるのは彼女の運動成果でしょうか。
*映画comサイト、https://eiga.com/movie/88380/
□ニューヨーク,ジャクソンハイツへようこそ
■監督.録音.編集.制作:フレデリック.ワイズマン
■(アメリカ.フランス,2015年作品)
■ジャクソンハイツを地図で探しました。 都心から30分のクイーンズ地区ですか。 ここも再開発に巻き込まれている。 大都市の宿命ですね。
コミュニティの場を多く撮っています。 例えば教会・誕生会・老人会・寺小屋・教育委員会・床屋・レストラン・ダンス教室・タクシー講習会等々の集会所で住民同士の世間話を映し出し、その隙間に街の風景を流す方法です。 このリズムが3時間も続くところが作品の特長と言える。 長く見ていると街の雰囲気が身体に沁みつくからです。
この町で167の言語が話されているとは驚きです。 アメリカ国民としての拘り、役所や警察など権力組織との緊張などなど移民の街としての特徴が描かれていく。 同時にLGBTなどの少数者への尊重も受け入れようとしている。 <より少数への配慮>こそが「ニューヨークであるために、なくてはならない町」になるのでしょう。
*映画comサイト、https://eiga.com/movie/83166/