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■琳派芸術2

■ 出光美術館,2012.10.27-12.16 ■ どうしても酒井抱一と尾形光琳を比較したいようね。 だったらこれでどうかしら? 「風神雷神図屏風」・・・・酒井抱一の勝ち 「八ツ橋図屏風」・・・・・・尾形光琳の勝ち 光琳の風神は鬼が縮こまっていて躍動感がない。 抱一は雲までも飛び散る動きが有り面白さも抜群よ。 八橋図の抱一は橋に余剰感がある。 花より橋を描いたみたい。 花の数が少ないのも理由の一つかもね。 「十二ヶ月花鳥図貼付屏風」は自然を切り取って意識的に半自然状態にした不安定さがあるわ。 観ていても落ち着かない。 何かが余分か何かが欠けているか、から来るの。 この感じが抱一の面白さかもね。 *館サイト、 http://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/past/

■柴田是真の漆工・漆絵・絵画

■ 根津美術館、2012.11.1-12.16 ■ http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html ■ 単眼鏡が離せません。 蒔絵は言葉の無い俳句のようですね。 印籠は職人的造りの上に明治の小金持ち商人が好むような味のある作品です。 唸る程でもありませんが、今なら手が届きそうなヴィトンやカルティエですかね。 漆絵は明るい茶色系で特異な空間が表れています。 ですから描かれた貝殻はシュールそのものです。 凝縮された蒔絵や赤黒の多い漆絵の後の「瀑布図屏風」がいいですね。 飲んだ時のお茶漬けです。 清々しい風や音に触れることができました。

■竹内栖鳳展

■ 山種美術館,2012.9.29-11.25 ■ 「百騒一睡」の雀のふっくらとした羽毛や「虎獅子図」の虎の針があるけど暖かみのある毛感は栖鳳の生き生きとした生物の捉え方なのね。 でも彼は歳を取るほど皮膚はノッペラボウになっていくの。 昆虫は多くなるし「雄風」の虎の毛並はみえない。 多くの画家は60歳を過ぎると感性が格段に劣ってくるから作品がつまらなくなるわね。 でも栖鳳は毛感を逐次変えていった。 生き物を描く戦略があってこれを乗り越えたの。 この戦略で京都画壇を牽引できたし弟子を沢山作れたではないのかしら? それにしても美人画はイマイチね。 弟子の上村松園を前に描きづらかったのよ、きっと。 *館サイト、 https://www.yamatane-museum.jp/exh/2012/70.html

■美術にぶるっ

■ 東京国立近代美術館、2012.10.16-2013.1.14 ■ http://buru60.jp/ticket.html ■ 第一部は館所蔵の作品が多いので常設展と勘違いしてしまった。 でもいつもより豪華なのでジックリと観てきた。 初めての関根正二「三星」が気に入る。 絵の三人は正に星だ。 狩野芳崖「仁王捉鬼図」は現代アートのようだ。 面白いが感動はゼロ。 第二部は第一部とは別世界! 原爆と基地問題で明け暮れ、展示内容も混乱している。 会場に置いてある5枚のチラシもプロパガンダ的レイアウトに近い。 ぶるっとしたが読む気がしない。 まるで1952年の開館時の混乱を再現しているようである。