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■サイモン・フジワラ、ホワイトデー  ■寺田コレクションの陶  ■金子拓展

■オペラシティアートギャラリ,2016.1.16-3.27 ■初めて聞くアーティストだわ。 紙袋に毛皮が入っている「ホワイト・ギフト」の次に梅の木が床に置いてある。 次々と目に入る作品がそれぞれ結び付かない。 作者の過去や周辺にいる人々の微かな匂いはある。 配られた解説からもそれが窺える。 これに肉付けして作品にしているようね。 一つ一つの作品が作者を形作る断片のようなものなの。 だからとてもプライベートな展示にみえる。 他者には解説的になるしかない。 HPをみたら工場生産ラインに見立てて作品を作り込むらしい。 レベッカの石膏像は同じ型で当に工場製品のようだわ。 ウォーホルの缶詰とは似て非なるものだけど真意が見えない。 「真実を知る為の嘘」はまだ発展過程のようにみえた。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh184/ ■寺田コレクションの陶 ■現代陶芸って楽しいわね。 目が喜んでいるのがわかる。 こんなこともできるんだ!という驚きがあるからよ。 荒木高子の「聖書」が例えばそれ。 作品60点強のうち鈴木治(*1)が20点もある。 寺田コレクションで彼が陶の中核的位置を占めているようね。 音が聞こえてきそうな形と赤の化粧土の作品が集まると音楽を奏でているように見える。 会話をしているようにも聞こえる。 実用的陶器が少ない為か遊びの世界に浸れるわね。 *1、 「泥象鈴木治の世界」(2014年) *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh185.php ■金子拓展 ■いまチラシを読んだら「まるで悪い夢をみているようだ・・」と書いてあるの。 まったくその通り! というかこの世の裏の不思議さ不気味さをみているとも言える。 悪い夢が忘れることができないようにこのような絵も忘れられない。 絵から飛び出でて観客にこびり付くようだわ。 *館サイト、 https://www.operacity.jp/ag/exh186.php

■フォスター+パートナーズ展、都市と建築のイノベーション

■森美術館,2016.1.1-2.14 ■「 フォスター卿の建築術 」で語られなかったことがこの展示で語られていました。 それはフレキシブルとサステナブル、これを提唱したバックミンスター・フラーの存在です。 ノーマン・フォスターはこの思想を引き継ぎ伝統や環境に適用し発展させた。 「フレキシブルは建築が持続する為の核心である・・」。 サステナブルに繋がるのも理解できます。  しかし都市に拡張した場合の持続可能性がアヤフヤにみえる。 未来都市計画「マスダールシティ」や「香港九龍」等の車道分離、公園・美術館・オペラハウスなどが既存の枠を破っていない。 エネルギーをなるたけ自前にして建物を作れば事足りるようにみえます。 「アップル新社屋」も緑地が増えるのは良いのですがそれ以上の説明がない。 日本での住宅も二点ありましたが日本の気候風土の接し方に論理的硬さが有り緊張感が漂っています。 二つのキーワードが持っている抽象的な特徴なのかもしれません。  月面住宅もありましたが、これこそがバッキー+フォスターの未来にみえてしまった。 宇宙船地球号が傾き始めないと彼らの良さが見えてこないのかもしれない。 *館サイト、 http://www.mori.art.museum/contents/foster_partners/index.html

■フェルメールとレンブラント、17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち

■森アーツセンターギャラリ,2016.1.14-3.31 ■内容からみて副題のほうが似合っています。 チラシをみてもどちらが展示会名なのかわからない。 主催者も悩んだのでしょう。 オランダ黄金時代の「幕開け」から「風景画」「建築画」「海洋画」「静物画」「肖像画」「風俗画」を経て「レンブラント派」と「終焉」の章に分かれています。 画の種類が増えたのはプロテスタントが定番の「歴史画」を嫌がった為のようです。 しかも裕福な市民がいろいろな絵を日常に取り入れた。 作品にゆったりと流れる時間と落ち着いた空間を感じるのは市民の余裕から来ているのでしょう。 「牛と羊飼いの少年・・」の牛がカバのように丸々太っているのを見ても豊かさが分かる。 全60作品なので章がコンパクトに出来ています。 「水差しを持つ女」は風俗画の章ですね。 黄金時代の一端を覗き見たような観後感でした。 *主催者サイト、 http://www.tbs.co.jp/vermeer2016/