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3月, 2014の投稿を表示しています

■中村一美展

■国立新美術館、2014.3.19-5.19 ■ http://www.nact.jp/exhibition_special/2013/NAKAMURA_Kazumi/index.html ■ 「Y形」から横尾忠則の「Y字路」を連想してしまった。 Yは画家にとっては特殊な記号なのか? Yから「斜行グリッド」への流れはわかるが、「C型」はこの流れには無い。 次の連鎖-破房への序章なのでは? この連鎖 - 破房から破庵あたりが一番の円熟期とみた。 ヒトの生から死までが社会に拡張されていく精神性がみえる。 しかし次の鳥シリーズには混乱してしまう。 方向を見失ってしまったようだ。 そして終章の「聖」はなんといってよいのか言葉に詰まる。 仏教が純化を目指す為、再びインドへ逆戻りしている途中の作品にみえてしまったが・・。 観終わって荒川修作を思い出してしまった。 作品は正反対だが二人は似たようなことを考えていたのかもしれない。

■FACE展2014

■損保ジャパン東郷青児美術館,2014.2.22-3.30 ■ 公募コンクール形式の展覧会の為か作品の良し悪しに差がありすぎる。 技法をみても箔や岩絵具や紙に拘った作品と油彩にキャンヴァスだけの作品には差が表れている。 ここが公募の面白いところである。 絵を描くことが好きな人々の技量や絵画の個人的興味、社会的な位置付なども想像できて楽しい。 「絵画は何のために存するのか、絵画とは何なのか」は中村一美展のチラシである。 この答えの幾つかがFACE展にもある。  ・・さて明日は国新美館にでも行こうかな *館サイト、 https://www.sompo-museum.org/exhibitions/past/2014/

■イメージの力-国立民族学博物館コレクションに探る-

■ 国立新美術館、2014.2.19-6.9 ■ http://www.nact.jp/exhibition_special/2013/power_of_images/index.html ■作品の前に立つと作られた時代の政治・経済・宗教や人々の生活をイメージしてしまいます。 しかし「世界の本質や構造」を掴みとることがその先にあるようです。 現代は形と色が溢れている世界にいます。 イメージから本質や構造を導き出すのは簡単なことではありません。 作品の多くは製作日が書かれていません。 収集場所と収集日だけです。 作られた時代は関係ないということでしょうか? 考古学や民俗学と歴史学の違いは無名か有名かで分けられると聞いたことがあります。 無名の作品を前にした時のイメージの練習が必要かもしれません。 多くの前提知識を持つ必要があるようにもみえます。 逆に子供のほうが上手かもしれないですね。

■コメ展

■2121デザインサイト,2014.2.28-6.15 ■ 地球氷河期やヒマラヤ山脈変動を乗り越え、モンスーン気候に適合するため多年草から一年草へと変身し、しかも水陸両用へ変化しつつ、種子で残る知恵を得て、人間生活との共存関係を選択したイネ! 宮沢賢治の言うセンス・オブ・ワンダーとしてのイネからコメの全体像を見せてくれます。 会場はしかしあの田圃の匂いはありません。 糠や麹の匂いもありません。 しめ飾りの藁の匂いが微かに漂うだけです。 録音のカエルや小大蛇、蝉の鳴き声の田圃の畦道が再現されています。 落差のある展示会です。 しかし会場を後にした時コメについての見方が深くなっていることに気が付きます。  つまり3粒が茶碗一杯の3000粒に増える裏に、気の遠くなるような自然の歴史と人の営みがあったことを考えてしまいます。  都会人にはインパクトのある企画です。 一粒のコメを見た時に喜びが沸き起こるようになるのです。 センス・オブ・ワンダーを感じ るようになります。 *美術館、 http://kometen.jp/

■内藤廣展-アタマの現場-

■ギャラリー間,2014.1.18-3.22 ■ 完成が近い草薙総合体育館と九州大学椎木講堂が目立つわね。 内藤廣の作品を観ているとピノッキオを思い出すの。 建物内部はピノッキオが鯨に飲み込まれた時に見た風景と同じだと直感したからよ。 以前ニューヨークのとある劇場でこれは蟻の巣の中だ!と、感じたことがあったけどこれと同じね。 建築はこうでなくちゃ。 想像力で飛び回ることができる作品を造れる建築家の一人だわ。 完成や半成の模型、素材や要素部品が一杯でいつもと違って本格的な展示にみえる。 活躍中の伊藤豊雄、安藤忠雄とSANAAや隈研吾の間に挟まれているけど保守本流を歩んでいる感じね。 会場には建築科学生が多いのも頷ける。 *館サイト、 http://www.toto.co.jp/gallerma/ex140118/index.htm

■蓮杖-没後百年日本写真の開拓者下岡蓮杖-  ■黒部と槍-冠松次郎と穂苅三寿雄  ■APAアワード2014

■東京都写真美術館,2014.3.4-5.6 □蓮杖-没後百年日本写真の開拓者下岡蓮杖-  ■ 蓮杖は写真に出会った時「絵画の代わりになる」と言っています。 しかし晩年に再び絵師に戻っています。 絵師に戻った理由がわかりません。 そしてナゼ写真師になったのか? これも本当の理由がわからない展示でした。 開拓者という言葉を使っていますが時代に乗った人でしょう。 時代の流れに乗れる人はそれなりの才能が必要です。 彼の作品から明治時代初期の人々が何をして何を考えていたのか想像できます。 侍や僧侶、飛脚や甘酒売などの商人、三味線や書の稽古などなどからです。 開拓者ではなく彼の目を通して生きた時代をみることの方が面白い展示会でした。 *館サイト、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2143.html □ 黒部と槍-冠松次郎と穂苅三寿雄- ■ 山岳写真は特別です。 単なる風景とは違います。 当時は重たい写真機を持って写真をとりますから作品の質は良くありません。 登山経験者と未経験者の違いも大きいとおもいます。 未経験者は地球とか人生とか、まるごとのままの何かを想起します。 経験者特に北アルプス登山者は違うはずです。 靴や服装、五万分の1の地図、登山家の歩いている姿。 ディティールの一寸も漏らさず作品を舐めまわすでしょう。 山岳写真はやはり特別です。 *館サイト、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2145.html □APAアワード ■ 経済産業大臣賞はボーイング787です。 素人には分かり難い溶接やリベット跡、そして銀びかりの身体。 電子機器とは違った迫力があります。 経済産業大臣及びその家臣なら諸手を上げてこの作品を支持するはずです。 気に入ったのは制服姿の女子高校生が写っている作品です。 彼女らはボーイング787を簡単に越えることができます。 *館サイト、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2147.html