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■DOMANI・明日展

■作家:加藤翼,川久保ジョイ,木村悟之,志村信裕,白木麻子,蓮沼昌宏,松原慈,村山悟郎,和田的 ■国立新美術館,2019.1.23-3.3 ■先ず迎えてくれたのは数学的な線と面を持っているが、どこか親しみのある和田的の白磁たち。 海外研修が2007年と古いこともあり安定感がある。 次の蓮沼昌宏のパラパラ漫画は楽しいわね。 全部をパラパラしてしまった。 村山悟郎の作品と解説は難解で生物現象をコンピュータに取り込み出力を加工して形にしている(?) 自己とは何か?が問題ね。 次の松原滋は村山悟郎の作品に引っ張られてしまった。 木村悟郎之のビデオはサラッと流して志村信裕の40分作品を観る。 それは羊を巡る話なの。 バスク地方の羊飼い、羊毛の衰退、成田三里塚の羊牧場の資料等を織り交ぜて語られる。 「人間と動物の関係」「土地の記憶」を主題にしているらしく仄々感と共に歴史の厳しさがみえる。 川久保ジョイは放射能量を可視化した作品。 放射能は人間界では管理不能の物質かもしれない。 次の白木麻子は机や椅子、布や花瓶を微妙な位置において緊張感を高めている。 このような作品が作品になる不思議さがある。 最後の加藤翼は車を使ったパフォーマンスの痕跡を展示。 作成ビデオをみると通行人らと共同して痕跡を残す作業自体が重要だということかな。 今回は自由度の高い作品が多かった。 それだけ時代が安定していると言えるわね。 その逆かもしれない。 *館サイト、 https://domani-ten.com/

■絵画のゆくえ2019、FACE受賞作家展

■損保ジャパン日本興亜美術館,2019.1.12-2.17 ■過去のFACE展で受賞した作家たちの近作・新作を紹介する展示会です。 展示会は何回か観ています。 「年齢・所属を問わない新進作家の登竜門」らしく肩を張らないでみることができますね。 今年のFACE展は2月に当会場で開催するようです。 11名の作家が登場しますが昨年2018年グランプリの仙谷裕美の作品群が気に入りました。 昨年からの勢いが続いているのでしょうか? それと阿部操、井上ゆかりの二人を加えます。 どれも作品から受ける印象は違いますが、現実対象を画面に落とし込む時の思考過程が私には及びつかないからです。 世界をこのように描く方法もあるのか?という驚きを持つからです。 新鮮とでもいうのでしょう。 この展示会の楽しさですね。 *美術館、 https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2019/face_award-winning-artist/

■イケムラレイコ、土と星

■国立新美術館,2019.1.18-4.1 ■イケムラレイコの名前は聞いていたがまとめてみるのは初めてだ。 自然や生命の輪廻に東洋観が滲み出ている。 ドローイングをみると彼女は彫刻家が本業だとわかる。 線が物質を引き寄せようとしている。 その答えが「有機と無機」に集められている。 振り返るとこの章が一番楽しかった。 以降も彼女の物語が展開する。 「少女」「アマゾン」「戦い」「うさぎ観音」と。 しかし後半はもう一歩踏み込んで抽象になっていく。 「山」「庭」「木」「炎」「地平線」と。 西洋でも東洋でも無い不安定さがある。 不安定さが静まった最新作「うねりの春」は宇宙的幽玄を感じる。 東洋的カンディンスキーである。 このような絵画が何枚かあったが辿り着いた現在到達点にみえる。 粘土彫刻は彼女の物語だが絵画は彼女の宇宙観を表現しようとしている。 この土と星は繋がっているが推考を重ねるほど彫刻から絵画へ向かうのだろう。 *館サイト、 http://www.nact.jp/exhibition_special/2018/Ikemura2019/

■ブルーノ・ムナーリ、役に立たない機械をつくった男

■世田谷美術館,2018.11.17-2019.1.27 ■「プロローグ」始めに展示されている1930年代前半の油彩と水彩画を見てビビッときました。 脳味噌に届く鋭い何かを持っています。 次のシルクスクリーン作品群「陰と陽」も裏切らない。 タイトル名の「絵はあらゆる箇所が生きている」通りです。 「子どもはすべての感覚で世界を認識している」章の多くの作品は視覚と触覚の統合がなされている。 そして絵の「あらゆる箇所」と子供の「すべての感覚」が繋がっている。 しかもどれも明晰簡明です。 「作品は無限の変化の一つとして出現する」で木の葉や枝のスタンプをペタペタ押して絵を作るのは子供も喜ぶはずです。 「どれほど多くの人が月を見て人間の顔を連想するか」で人間の核心である顔を論じて終章になる。 嬉しい作品ばかりでした。 できることならブルーノ・ムナーリに一度会ってみたいですね。 *館サイト、 https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00191 ■アフリカ現代美術コレクションのすべて ■「床屋の看板」は面白い。 一人ひとりの髪型がいいですね。 それと「私の世界、あなたの世界」の鉄に色を塗った人物立像3点組がアフリカの強さと明るさを表現していました。 *館サイト、 https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection/detail.php?id=col00102 ■追悼-保田春彦 ■力強い裸婦デッサンが気に入りました。 *館サイト、 https://www.setagayaartmuseum.or.jp/document/YASUDAlist.pdf

■バスキア  ■バスキアのすべて  ■バスキア、10代最後のとき

□バスキア ■監督:ジュリアン.シナベール,出演:ジェフリー.ライト,デヴィット.ボーイ,デニス.ホッパー,ゲイリー.オールドマン他 ■(アメリカ,1996年作) ■バスキアを直にまとめて観た記憶がありません。 しかし写真でも一度みたら忘れられない。 線と色と文字が電子軌跡のように共振している。 その振動は現実世界の裏側まで貫く。 キャンバスに広がる散文的緊張がモロに伝わってきて身が引き締まりますね。 新作「バスキア、10代最後のとき」を観に行く前に古い映画を2本取り寄せました。 彼を知りたい。 これがその1本でなんと劇映画です。 デヴィット・ボーイ、デニス・ホッパーやゲイリー・オールドマンが脇役を固めているのに仰天! しかしバスキアは何をしたいのかよく分からない。 目が何も語っていないからです。 後半アンディ・ウォーホルが登場してから少し面白くなる。 でもウォーホルも何を考えているのかよく分からない。 生温い映画でした。 とういことで2本目の「バスキアのすべて」に期待しました。 *映画comサイト、 https://eiga.com/movie/47910/ □バスキアのすべて ■監督:タムラ.デイビス,ジァン=ミシェル.バスキア,ジュリアン.シナベール,ディエゴ.コルテス他 ■(アメリカ,2010年作) □ドキュメンタリーでバスキア自身と彼を知る人たちのインタビューでまとめている。 彼の作品が多く映されていて嬉しいですね。 やっとバスキアがみえてきた。 彼は有名画家を目指し、それを達成した。 作品と時代がシンクロナイズした為でしょう。  しかし保守的評論家からは最後まで煙たがられていたらしい。 絵画を壊す力をバスキアは持っている。 美術で食っている人たちには不安が過るのでしょう。 絵画の外へ行ってしまう不安です。 結局彼はヘロインに溺れ追い詰められていく。 *映画comサイト、 https://eiga.com/movie/55761/ □バスキア、10代最後のとき ■監督:サラ.ドライバー,出演:ジァン=ミシェル.バスキア,ファブ.5.フレディ,ジム.ジャームッシュ他 ■恵比寿ガーデンシネマ,2018.12.22-(アメリカ,2017年作) ■さっそく恵比寿へ観に行く。 ドキ