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■特別展アリス、へんてこりんな世界

■主催:ビクトリア・アンド・アルバート博物館ほか ■森アーツセンターギャラリー,2022.7.16-10.10 ■この数年に出会ったアリスと言えば「アリス・イン・ワンダーランド」(ティム・バードン監督)、「不思議の国のアリス」(ロイヤル・バレエ団)の2本かな。 この映画とバレエはピカイチよ。 展示会でもこの2作品の比重が高い。 見所は1章「アリスの誕生」。 V&A所蔵の作品がずらりと並ぶ。 ドジソンのことが一杯ね。 博物館の面目は十分、でも資料が多くて子供たちは飽きるかも。 2章「映画になったアリス」でジョナサン・ミラー監督のアリスを上映していたがこれは観たい! 彼の演出舞台をよくみていたから。 3章「新たなアリス像」ではサルバドール・ダリまでがアリスを描いているの。 シュルレアリストもアリスがお好きなのね。 4章「舞台になったアリス」。 ここは勿論ロイヤル・バレエの舞台衣装や装置がずらりと並ぶ。 そして終章は「アリスになる」。 現代の科学やファッションにもアリスは負けない。 どの時代でも親和性が強い。 アリス最高! *美術館、 https://macg.roppongihills.com/jp/exhibitions/alice/index.html *2022.10 投稿者名を「白犬黒猫」から「しろいぬ」に変更しました.

■地球が回る音を聴く、パンデミック以降のウェルビーイング

*以下の□4展を観る。 ■森美術館,2022.6.29-11.6 □地球が回る音を聴く ■16名の作家が登場し各自のウェルビーイングを披露してくれる。 オノ・ヨーコの詩から始まり絵画、彫刻、映像など揺れ幅の大きい作品が並ぶの。 日常のガラクタや新聞紙、被災家具、DV議論等々など日常からみた世界を描いている。 観客はまさに地球が回る音を聴いているような感じかな? その音は楽音・騒音・雑音・無音など数えきれない。 作品を作ることによって作家自身と世界の健康をなんとか保とうとしている。 それだけ危機が迫っている。 *美術館、 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/earth/index.html □仙境へようこそ ■やなぎみわ、小谷元彦、ユ・スンホ、名和晃平の4人で代表作を1点ずつ展示。 「俗世を離れた山水画のような大自然のなかで、不老不死の仙人が住むとされる仙境・・」の気配を感じるわね。 *美術館、 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamcollection015/index.html □ツァオ・フェイ曹斐 ■ツァオ・フェイ(曹斐、1978年、中国)の映像作品2点を上映。 今日は「霞と霧」(2013年)を20分ほどみる。 高層住宅の住民がどういう生活をしているのか? もちろんドラマだが分かるのが面白い。 日本より都市化が進む中国だが貪欲に生活している。 *美術館、 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamscreen016/index.html □正義を求めて-アジア系アメリカ人の芸術運動- ■「1960年以降のアジア系アーティスト、音楽家、活動家や芸術団体の文化活動、近年の作品やプロジェクトを紹介」。 アフリカ系アメリカ人の公民権運動にアジア系は複雑に反対していた。 またアジア発のベトナム戦争も自ずと過敏になる。 混沌とした60年代がみえてくる。 *美術館、 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamresearch009/index.html

■キース・ヴァン・ドンゲン展、フォーヴィスムからレザネフォル

■パナソニック汐留美術館,2022.7.9-9.25 ■作品は何点か見た記憶があるが名前は忘れていた。 調べたが彼の美術展も記録が無い。 副題にあるレザネフォル(狂乱の時代)に名声を得てパリやドーヴィルで描き、ヴェネツィアやアフリカへも足を延ばしたことで作品に余裕ができたようにみえる。 描いた女性は解放されたフォーヴィスムの肉体と表現主義の顔を持っている。 20年代のF・W・ムルナウやF・ラングの映画に登場する女の顔だ。 つまりヴァン・ドンゲンも彼らと同じ青春を歩んだのだろう。 そこにパリ特有の「狂乱の時代」が被さってくる。 人物画では「モンマルトルのパリジェンヌ」ほか数点が気に入る。 女性を描くときは時代への義務感が見え隠れしている。 風景画では「乗馬(アカシアの道)」「サンタ・マリア・デッラ・サルーテ」。 前者は描くことを楽しんでいる。 後者は遠くから観ると解放感がある。 会場が入り組んでいるので多くの作品を一望できなかったのは残念。 フォーヴ系のコクのある絵はこれで観たい。 *美術館、 https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/22/220709/

■フィン・ユールとデンマークの椅子 ■芸術x力、ボストン美術館展

*下記の□2展を観る。 □フィン・ユールとデンマークの椅子 ■東京都美術館・ギャラリーABC,2022.7.23-10.9 ■フィンランド展はときどき出会える。 でもデンマークは少ない。 フィン・ユールの名前もね。 彼を中心にデンマーク家具を俯瞰した展示会なの。 緩やかで繊細な曲線を持つ木材の脚や肘掛、骨太の座面や背もたれが気に入ったわ。 とくによかったのは作品に座れるエリアがあったことかな。 椅子は座らないと分からない。 座ることにより、椅子の思想を己の身体がちょくせつ感じ取ることができる。 デンマークは椅子に座らせてくれる。 フィンランドもこれを見習わなくちゃ。 *美術館、 https://www.tobikan.jp/exhibition/2022_finnjuhl.html □芸術X力,ボストン美術館展 ■東京都美術館,2022.7.23--10.2 ■タイトルの<力>は権力者を指しているの? でも暑いと気乗りがしない。 しかもヨーロッパ・エジプト・インド・中国・日本が混在しているのでタイトルや分類を意識するのもカッタルイ。 冷房が効いているなか、絵巻物をツラツラとみるのが最高ね。 「平治物語絵巻、三条殿夜討巻」と「吉備大臣入唐絵巻」が面白かった。 阿倍仲麻呂の亡霊が吉備真備に会いに来て、二人で空を飛び、囲碁勝負で碁石を飲んでしまう話は支離滅裂でまるで漫画ね。 会場出口の増山雪斎「孔雀図」で終わり良ければ総て良し。 *美術館、 https://www.tobikan.jp/exhibition/2022_boston.html

■ガブリエル・シャネル展

■三菱一号館美術館,2022.6.18-9.25 ■喪服と同じ黒を選んだシャネルは凄い。 作る時も着る時も緊張感が伴う。 会場を進んでデイアンサンブルからイブニングドレスの5作品が並んでいる黒は見事です。 素材の選択も柔軟性がある。 ヨーロッパの正装の厳しさに耐える力を持っている。 映画「 ココ・アヴァン・シャネル 」で彼女が初めての黒を着てカペルと踊る場面を思い出します。 黒以外のドレスをみても隙がない。 職人気質丸出しですね。 白系ドレスでは「去年マリエンバードで」しょう。 そして女性用スーツとも言えるジャケット&スカートも。 沢山のポケットは勇気がいる。 このジャケット、特にピンク系をみるとダラスのジャックリーンの姿が浮かんでしまう。 でもジュエリーは好きになれない。 シンプル&エレガンスの対極に位置付けたいのは分かりますが。 シャネルの作品をみていると20世紀の映像が次々と浮かんでくる。 そして何よりも驚きなのは彼女がクリスチャン・ディオールより20年も前に生まれていたことです。 シャネルの黒はディオールの衝撃に劣りません。 *美術館、 https://mimt.jp/exhibition/#chanel