■キース・ヴァン・ドンゲン展、フォーヴィスムからレザネフォル

■パナソニック汐留美術館,2022.7.9-9.25
■作品は何点か見た記憶があるが名前は忘れていた。 調べたが彼の美術展も記録が無い。
副題にあるレザネフォル(狂乱の時代)に名声を得てパリやドーヴィルで描き、ヴェネツィアやアフリカへも足を延ばしたことで作品に余裕ができたようにみえる。
描いた女性は解放されたフォーヴィスムの肉体と表現主義の顔を持っている。 20年代のF・W・ムルナウやF・ラングの映画に登場する女の顔だ。 つまりヴァン・ドンゲンも彼らと同じ青春を歩んだのだろう。 そこにパリ特有の「狂乱の時代」が被さってくる。
人物画では「モンマルトルのパリジェンヌ」ほか数点が気に入る。 女性を描くときは時代への義務感が見え隠れしている。 風景画では「乗馬(アカシアの道)」「サンタ・マリア・デッラ・サルーテ」。 前者は描くことを楽しんでいる。 後者は遠くから観ると解放感がある。
会場が入り組んでいるので多くの作品を一望できなかったのは残念。 フォーヴ系のコクのある絵はこれで観たい。