■ガブリエル・シャネル展

■三菱一号館美術館,2022.6.18-9.25
■喪服と同じ黒を選んだシャネルは凄い。 作る時も着る時も緊張感が伴う。 会場を進んでデイアンサンブルからイブニングドレスの5作品が並んでいる黒は見事です。 素材の選択も柔軟性がある。 ヨーロッパの正装の厳しさに耐える力を持っている。 映画「ココ・アヴァン・シャネル」で彼女が初めての黒を着てカペルと踊る場面を思い出します。
黒以外のドレスをみても隙がない。 職人気質丸出しですね。 白系ドレスでは「去年マリエンバードで」しょう。 そして女性用スーツとも言えるジャケット&スカートも。 沢山のポケットは勇気がいる。 このジャケット、特にピンク系をみるとダラスのジャックリーンの姿が浮かんでしまう。 でもジュエリーは好きになれない。 シンプル&エレガンスの対極に位置付けたいのは分かりますが。
シャネルの作品をみていると20世紀の映像が次々と浮かんでくる。 そして何よりも驚きなのは彼女がクリスチャン・ディオールより20年も前に生まれていたことです。 シャネルの黒はディオールの衝撃に劣りません。