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■フランク・ロイド・ライト、世界を結ぶ建築

■汐留美術館,2024.1.11-3.10 ■会場が混んでいて入場を待たされたのは当館で初めてです。 建築展では珍しい。 場内はいつものとおり文章を読ませる展示だが苦にならない。 量と質、配分が適格だからです。 しかしライトの世界に入れない。 それは浮世絵が所々に飾ってあったからです。 もちろんライトは日本美術から影響を受けたことはわかる。 でもライトの作品と似合わない。 彼のプレイリー・スタイルから感じ取れるのはケルト系の自然崇拝や多神教、メキシコやアジアの古代遺跡、そしてアメリカに広がるプレーリーでしょう。 前半を過ぎるとライトの全容がみえてくる。 それは教育者としての顔です。 教育環境を作る! 教育学者ジョン・デューイと関連のある「自由学園」(1926年)は見学したことがある。 またライト自身もフリードリヒ・フレーベルの教育玩具で遊んでいたらしい。 映像「タリアセン・フェローシップ」(1933年)も初めて見ます。 途中に「帝国ホテル」(1923年)が登場。 当時の空中カラー写真をみるとまるで古代遺跡ですね。 大谷石の選択、すだれレンガの採用など建築途中の変更が並みでない。 なぜ関東大震災時でも無傷だったのか? その複数の理由を知ることができた。 そして次期帝国ホテル設計者田根剛の完成写真(2036年)を見るとまるで<未来遺跡>です。 古代遺跡から未来遺跡へ! これは楽しい! *美術館、 https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/24/240111/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、フランク・ロイド・ライト ・・ 検索結果は2ブログ . *追記・・WEBで本展示会オンライン講習会を観る。 講師は当展企画監修のケン・タダシ・オオシマ。 上演時間は90分。 解説が展示順のため会場の構成風景と作品を思い出しながらみることができました。

■梅田哲也展、待ってここ好きなとこなんだ

■ワタリウム美術館,2023.12.1-2024.1.14 ■美術館を旅する企画らしい。 ツアーの予約が事前に必要です。 今日の時刻帯では私を含めて客は4人、館内では3人のコンダクターが夫々必要に応じて登場する。 当館の歴史や建築は聞いていたが裏側をみるのは初めてです。 ここは美術館としては狭いし館内は歩き難い。 はたして事務室も厨房も同じように酷い。 本棚には整理されていない(?)山ほどのビデオ。 薄汚れた本や雑誌類。 開催中のホックニー展カタログの横にはゴダール特集の雑誌が無造作に置いてある。 このような雰囲気も嫌いではないが、コロナ渦を生き延びた日本の私設美術館の現状が伝わってきます。 というより、もはや隠すものは一つもないという諦めもあるのかもしれない。 ところで作者は美術館を船に見立てているらしい。 桟橋は信号を渡って向かいの空き地ですか(?)。 館2階の大窓が開き、先のツアー客は空き地から、後のツアー客は2階から道路を挟んで対面することになる。 船旅らしく互いに手を振ります。 桟橋からみると美術館壁が帆の形と色をしていて帆船にもみえる。 船旅に納得しました。 ちなみに当館の美術展ベスト3(開催順、当ブログ掲載から)は・・ 寺山修司展「ノック」 、 ルドルフ・シュタイナー展「天使の国」 、 ナムジュン・パイク展「 2020年笑っているのは誰?」 。 パフォーマンス系を取り込んだ境界美術の展示会が多いので目を離せません。 ここは異色の美術館です。 *美術館、 http://watarium.co.jp/jp/exhibition/202312/

■見るまえに跳べ ■即興、ホンマタカシ ■プリピクテ、HUMAN/人間

■東京都写真美術館,2023.10.27-24.1.21 *以下の□3展を観る. □見るまえに跳べ,日本の新進作家vol.20 ■作家:淵上裕太,夢無子,山上新平,星玄人,うつゆみこ ■5人の作家は初めてだが刺激的な作品に溢れています。 淵上裕太と星玄人を比べると上野公園と都心繁華街に屯するヒトの違いがわかる。 上野公園の人々は人間界から離れたい、繁華街で撮った人々は未だ生活の匂いと繋がりたいと言っているようです。 どちらも境界へ行きたい人々だが、誰を撮りたいのか?両作家の目線の違いも現れている。 危機から2年になろうとしているウクライナを夢無子が語っている。 キーウなどの都市を背景に写真・文章・音響を混ぜて一つの作品にしています。 ウクライナの荒廃した季節が感じ取れますね。 向日葵の立ち枯れた姿が不気味です。 戦争と束の間の平和が融合している日常とはこういうもなのか!? 写真と文章が澄んでいるので現地の空気が率直に伝わってきます。 *美術館、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4542.html □即興,ホンマタカシ ■ピンホールカメラで撮ったので作品の多くは逆さまです。 しかも表面は粗い。 即興の意味がなんとなく分かります。 人の手から離れた質感がある。 気に入ったのはクライスラービル(no16)、それと「mount Fuji17/36」。  *美術館、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4540.html *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、ホンマタカシ ・・ 検索結果は4ブログ . □国際写真賞プリピクテ,HUMAN/人間 ■十数名の作家が展示されています。 賞で選ばれただけあり中身が濃い。 テーマは「Human/人間」。 気候・移民・鉱山・衣装・性差別に内在する問題を地球サステナブルへの行動に繋げようと作家たちはカメラを被写体へ注いでいる。 静かさのある世界報道写真展ですね。 *美術館、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4591.html