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■リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展

■Bunkamura.ザミュージアム,2019.10.12-12.23 ■リヒテンシュタイン侯爵家の肖像画と貴族生活を1章で紹介した後は、侯爵収集の宗教画、神話・歴史画、磁器、風景画、静物画と続いていくの。 2章を割いて磁器を強調しているけど、コンパクトでバランスの良い展示会になっている。 各章の作品数もちょうどよい。 リヒテンシュタインという国そのものを表している感じだわ。 中でも磁器と花の静物画の関係を楽しく観ることができた。 カール一世の収集は(やはり!)ルドルフ二世の収集癖の影響で始まったのね。 「ハプスブルク展」と関係が出てきそう、まだ西洋美術館には行っていないけど。 今回は2012年以来の大規模展らしい*1。 *1、「 リヒテンシュタイン・華麗なる侯爵家の秘宝 」(国立新美術館,2012年) *館サイト、 https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_liechtenstein/ ■西美公二展2019 *館サイト、 https://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/191011nishimi.html ■ロバート.ハインデル展2019 ■久しぶりのハインデル。 舞踊作品をみると「現代のドガ」は生き続けている。 *館サイト、 https://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/box_191019heindel.html

■ラウル・デュフィ展、絵画とテキスタイル・デザイン

■パナソニック汐留美術館,2019.10.5-12.15 ■デュフィという人は途中で消えてしまったようにみえる。 それはテキスタイルデザイナーとして後半は活躍したからでしょう。 ファッションデザイナーの裏方として隠れてしまうからです。 それを知っているポール・ポワレはデュフィを持ち上げていたのがこの展示でも分かる。 デュフィの絵はマチスからやって来たようです。 1905年にマチスを見て感銘したらしい。 マチスと勘違いする人もいるはず。 シャガールも連想してしまいますね。 次々と楽しさが押し寄せてくる絵画です。 木版画「動物詩集」は力強い。 絵画とは違います。 「オルフェス行列」はピカソの肉体、「仔象」はベクトルを感じます。 最初はポール・ポワレの依頼でこのような作風になったのかと思いました。 後日知ったのですが彼には生活が懸かっていたのですね。 稼ぐ力と言ってよい。 強さはそのままポワレの作品に表れている。 イブニングドレスとして作られていても、大柄で地が白だと日本の浴衣にみえる。 ローマ時代の銭湯で着ればより似合うでしょう。 これも楽しい。 楽しさの根源はリズムから来ているようです。 彼の作品には音楽の三要素が感じられる。 *「 デュフィ展 」(Bunkamura,2014年) *館サイト、 https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/19/191005/index.html

■カルティエ、時の結晶

■会場構成:杉本博司,榊田倫之 ■国立新美術館,2019.10.2-12.16 ■170年のカルティエ史で培ってきた設計思想や作成技法などを織り交ぜた体系的な展示になっている。 実はカルティエはよく知らない。 パンテールとトゥッティフルッティならそれだと分かる。 「色と素材の変容」「フォルムとデザイン」「世界への好奇心」の3章で概要が把握できる。 メゾンのキーマンはルイ・カルティエだったらしい。 好奇心とあるが彼の行動を指している。 また彼のヴンダーカンマーである「好奇心の部屋」で別章を割いている。  しかし黒で統一している会場は暗い。 段差もあり危ない。 通路も迷ってしまった。 ケースの中の作品は一方向からしか見ることができない。 近づいてしまうので混雑時は大変だろう。 スマートフォン型音声案内が配布されていたので借りてみた。 章ごとに解説があるので煩く感じる。 慣れないと鑑賞の妨げにもなる。 帰宅してカルティエのHPに初めてアクセスした。 紹介映像「オディセ・ドゥ・カルティエ」はルイとジャックのカルティエ兄弟、パンテールのジャンヌ・トゥーサンなどが登場し今日の展示会を埋める内容だ。 カルティエとイギリスやロシア、イスラムの関係も入っている。 さて、これからはブティックへ行った時、これはカルティエだ!と直ぐに分かるだろうか? ・・分かるかな?? ・・ゥゥ! *館サイト、 https://www.nact.jp/exhibition_special/2019/cartier2019/ *「 カルティエ・クリエイション-めぐり逢う美の記憶 」(東京国立博物館.表慶館,2009年)

■ルノワールとパリに恋した12人の画家たち

■横浜美術館,2019.9.21-2020.1.13 □ルノワールとパリに恋した12人の画家たち ■画商ポール・ギョームが収集したコレクション展よ。 オランジュリー美術館の地下常設展示室を初めてみた時の感動は忘れられない。 でも2006年改修工事以降は行っていない。 日本では1998年文化村での展示会が最後かしら? ギョーム自身にも焦点をあてているの。 彼の肖像画ではモディリアーニが一番ね。 彼の邸宅の食堂や書斎模型から絵の好みがみえてくる。 アフリカ彫刻から入ったからキュビズムには親近感を覚えたはず。 引っ越した住所が地図に書き込まれてあった。 パリの地図は見ていて楽しい。 いろいろな関係性が浮かぶからよ。 今回はアンドレ・ドランが多い。 ギョームの講演会写真をみると壇上周りはドランの作品で一杯だわ。 でも彼がドランの絵をどう思っていたのかはよく分からない。 それと最後を飾るスーティンも満足できる数かな。 ギョームとバーンズの出会いも面白そうね。 今日はギョームと妻ドメニカが案内してくれて楽しかったわよ。 ところで場内の画家達の履歴は工夫が足りない。 *横浜美術館開館30周年記念・オランジュリー美術館コレクション展 *館サイト、 https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20190921-540.html ■東西交流160年の諸相 *横浜美術館コレクション展 *横浜美術館開館30周年・横浜開港160周年記念 *館サイト、 https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20190921-543.html ■絵でたどるペリー来航 *横浜美術館開館30周年・横浜開港160周年記念 *館サイト、 https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20190921-544.html