■ラウル・デュフィ展、絵画とテキスタイル・デザイン

■パナソニック汐留美術館,2019.10.5-12.15
■デュフィという人は途中で消えてしまったようにみえる。 それはテキスタイルデザイナーとして後半は活躍したからでしょう。 ファッションデザイナーの裏方として隠れてしまうからです。 それを知っているポール・ポワレはデュフィを持ち上げていたのがこの展示でも分かる。
デュフィの絵はマチスからやって来たようです。 1905年にマチスを見て感銘したらしい。 マチスと勘違いする人もいるはず。 シャガールも連想してしまいますね。 次々と楽しさが押し寄せてくる絵画です。
木版画「動物詩集」は力強い。 絵画とは違います。 「オルフェス行列」はピカソの肉体、「仔象」はベクトルを感じます。 最初はポール・ポワレの依頼でこのような作風になったのかと思いました。 後日知ったのですが彼には生活が懸かっていたのですね。 稼ぐ力と言ってよい。
強さはそのままポワレの作品に表れている。 イブニングドレスとして作られていても、大柄で地が白だと日本の浴衣にみえる。 ローマ時代の銭湯で着ればより似合うでしょう。 これも楽しい。 楽しさの根源はリズムから来ているようです。 彼の作品には音楽の三要素が感じられる。
*「デュフィ展」(Bunkamura,2014年)
*館サイト、https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/19/191005/index.html