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■バルビゾンへの道

■BUNKAMURAザ・ミュージアム、2013.10.20-11.18 ■ http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_yamadera/index.html ■ 後藤美術館を初めて知った。 80点近い作品、画家のほとんどは知らない。 会場は人物画や静物画と風景画が調和していて心地よい。 だから「バルビゾン」に固執する必要もない。 客も少ないからキャプションの画家歴もじっくり読んでしまった。 歴史画家に自殺が多いのに気が付いたが。 そして今更ながらコローの構成力を再発見してしまった。 周囲の作品と比較できたからである。 このような誘導を企画したようにもみえる。 気に入ったのはスタナードの静物画。 空腹だったので果物がとても旨くみえた。 そしてユエの「羊飼い姿のビーナス」。 犬の顔や目つきが野良犬の系統だからである。 ビーナスとの差、そして感情の遣り取りが面白い。 知らない美術館や画家だと余裕が湧き出てくる感じである。 知っている画家や有名作品だと、どうしても後先を急いでしまう。

■吉岡徳仁-クリスタライズ  ■うさぎスマッシュ展-世界に触れる方法-

■ 東京都現代美術館,2013.10.3-2014.1.19 □吉岡徳仁-クリスタライズ ■ 残念ですが、5年前のデザインサイトで観た時のような衝撃は無かったですね。 プリズムも薔薇も凡庸すぎます。 展示方法も下手です。 ストローはトルネードになりませんでした。 50分のビデオも過去の紹介だけでつまらないですね。 「カルティエクリエイション」や「ネイチャーセンス」などの内容を思い出しましたが。 「スヴァロフスキ」との関係が記憶に残ったくらいです。 *美術館、 https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/147/ □ うさぎスマッシュ展-世界に触れる方法- ■ 世界とは何か? 世界は情報だけで把握するしかない! データ処理でみる世界と自分自身が触る世界との差異をどうすればよいのか悩みます。 この悩みを作品にしたのが「 アウト・オブ・ダウト 」の <疑念>である満艦飾でしょ。 しかしこの展示では方法を論じているので表面的には疑念を持つような作品は見当たりません。 情報処理を駆使していますが、結局は不思議な国のアリスということですか。 「固定観念に一打を与える」というのは情報を持っている側のセリフです。 現代美術館というのは面白い立場にいますね。 森美術館との違いも考えてしまいました。 ICCも近頃はご無沙汰しています。 写真美術館も期待したのですが動かない。 このようなテーマはこれからも続けて欲しいですね。 *美術館、 https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/148/

■ターナー展  ■京都

■ 東京都美術館,2013.10.8-12.18 ■ 油彩画は「崇高」さが弱まるわね。 表面がゴツゴツしていて伸びやかさがないから率直に崇高に辿りつけない。 逆に彼の黄土と空色をたっぷり味わうことができるの。 まさにカレーマニア! ターナーの出世欲や英国海軍と愛国心、色彩実験、そしてイタリア特に三度のヴェネツィア旅行など彼の人生の歩みを初めて知ることができたわ。 ターナーの隠れていた一面も見られて充実感は100%よ。 感動は60%ね。 *館サイト、 http://www.tobikan.jp/exhibition/h25_turner.html ■ 京都 ■ 東京国立博物館,2013.10.8-12.1 ■ 「京都」だけ? 漠然としてるけど、でも裏切らなかったわよ。 「 興福寺 」 の時もそう。 寄り道でもさすが上野ね。 「洛中洛外図屏風」「京都御所障壁画」「龍安寺襖絵」「二条城黒書院の松桜・大広間の松鷹」。 絞り込んでいるから集中できるの。 「洛中洛外図」の詳細は本などでみるのが一番ね。 7点の中では2728人も描いている船木本かな? でも今回は狩野派の総力が場内を圧倒しているわ。 特に気に入ったのが二条城。 「京都でもみることができない京都」は嘘じゃなかった。 ところで龍安寺の石庭の4K映像はたいしたこと無かった。 それは対象がいつもどこでも目にするす自然だから。 前回のミケランジェロのようでなくちゃだめね。 *展示会サイト、 http://www.ntv.co.jp/kyoto2013/

■アウト・オブ・ダウト展-六本木クロッシング-

■森美術館,2013.9.23-14.1.13 ■ 赤瀬川原平や中村宏の作品をみて混乱しました。 アキラカに過去に戻り過ぎです。 そして赤旗のナンセンスで再び混乱しました。 マルクスに限らず個人の写真を掲げると北朝鮮やカルト宗教団体になってしまうのが現代のオチです。 「社会通念や制度にむけられた疑念=ダウト」を表現するにはパフォーマンスしかないと言っているようです。 そして多くの作品は満艦飾です。 どちらも情報過多で処理オーバーが原因ではないでしょうか? 海外在中を含め初めて知るアーティストたちの活動を知るのは楽しかったですね。 柳幸典の「精錬所」も海馬に再記憶しました。 *館サイト、 https://www.mori.art.museum/contents/roppongix2013/about/

■印象派を超えて、点描の画家たち

■ 国立新美術館,2013.10.4-12.23 ■ スーラの技法が欧州の画家たちに伝わっていく様子がハッキリみえる展示会だわ。 スーラは感情表現追求途中で逝ってしまったけど、シニャックはこの追求を引き継がなかったのね。 ドランとヴラマンクの2枚をみただけでシニャックの幅のある点描がフォーヴィズム誕生に手を貸したのがわかるの。 そしてゴッホがスーラに従わない理由も面白いわね。 戻るけど、感情表現追求は象徴主義画家は成功したのかしら? 結果として分割主義は合わなかったのよ。 しかも終章は驚きの結末ね。 モンドリアンとは!! プリッカーの「花嫁」で初めて線の問題が浮上してきたの。 スーラは感情表現を線で逃げようとしたのかしら? 面はわかるけど線はみえないわ。 つまり延長上にモンドリアンのいる理由がわからない。 ヤン・トーロップとの付き合いだけじゃないの? そして「点描キャンディ」にはマイッタ! 抹茶・黒糖・ミルク・レモン・苺等で補色にして瓶に入れショップで売っているの。 商魂たくましいわね。 *館サイト、 https://www.nact.jp/exhibition_special/2013/km2013/

■横山大観展ー良き師、良き友ー

■横浜美術館,2013.10.5-11.24 ■ 良き友紫紅、未醒、芋銭、渓仙の作品も多く展示されている。 しかもこの4人は大観に負けていない。 例えば大観「汐見坂」と紫紅「潮見坂」が並べてあるが、脳味噌にビビッとくるのは紫紅の方である。 漱石が「間の抜けた・・、無頓着な・・」と大観の作品を評している。 大観は観察のあと自身の中で熟成発酵を待ちそして作品にしている。 途中の待つあいだに雑念が入ってしまい間の抜けた作品になってしまうのではないだろうか? この描き方なら写実より「老子」「月下逍遥」などのキュビズム的な作品を描くのがよい。 なぜならデフォルメ化なら雑念を隠すことができるし事実傑作も多い。 ともかく大観と良き友4人が見事に一丸となっていたので興味深くそして愉快に鑑賞できた。 *館サイト、 http://yokohama.art.museum/exhibition/archive/2013/20131005-78.html

■竹内栖鳳展

■ 東京国立近代美術館,2013.9.3-10.14 ■ 終了日が迫ってくると混雑しますね。 日曜美術館で紹介されていた「羅馬之図」を見たくて行ってきました。 しかしなんとこの作品は9月末迄の展示!?、アハッ!。 それでも気に入った作品が何点か有りました。 鴨と蓮の「秋興」(1927年)、有名な「驟雨一過」。 どちらも後期の暈しが効いています。 水の色と薄い土色、後者は空気の水分まで感じられ、モンスーン気候の乾季と雨季の素晴らしい風景です。 歳をとっても作品が崩れないのは写生の威力でしょう。 「・・形があれば線など不要である」。 この言葉も写生に生きた栖鳳の核心を語っています。 会場には猫派が多いようでしたが、女性のヌードもどんどん描けば新しいファンも広がったはずです。 でも「絵になる最初」をみてもこの時代ではまだ無理でしょうね。 *館サイト、 http://archive.momat.go.jp/Honkan/takeuchi_seiho/index.html