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8月, 2013の投稿を表示しています

■大野麦風展-「大日本魚類画集」と博物画にみる魚たち-

■東京ステーションギャラリ、2013.7.27-9.23 ■ http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201307_Bakufu_Ohno.html ■ 「真鯉」「ヒゴイ」の鯉2点は博物画ではなく日本画ですね。 見慣れている魚は日本画、他は博物画にみえます。 博物画というのは生物と無生物の中間を感じさせるのがよいのではないでしょうか。 杉浦千里の「エビ」は現代的博物画です。 それにしても大野麦風の絵は素人的です。 このため博物画を志したのは正解です。 上田尚と田中茂穂の二人が解説文を書いていますが、上田尚のは素晴らしい。 魚を生き生きと蘇らせる文章です。 釣る、料理する、食べる工程が有る。 これが日本的本草学です。 魚類画集で知らない魚をみるとまずどんな味か想像します。  

■米田知子-暗なきところで逢えれば-  ■写真作品のつくりかた  ■ネコライオン-岩合光昭写真展-

■東京写真美術館,2013.7.20-9.23 □米田知子-暗なきところで逢えば- ■ プラットフォームや道の写真・・。 入口でもらった作品リストをみてわかる。 伊藤博文暗殺現場であり、サイパン島玉砕場所である。 リストを見なければ背景がわからない。 「SCENE」はリストを見たが以降は見ないで会場をまわる。 映像作品「暗なきところで逢えば」はとてもいい。 緑色のオーロラ、公園に設置してある戦車、雪の道路。 そして鉄が響くような音楽。 作者は映像作家が合うと直感的におもった。 映像は説明書が不要だから。 作品リストは見ないで捨ててしまったので「SCENE」以外は記憶にない。 *館サイト、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-1864.html ■写真のエステ- 写真作品のつくりかた ■ アングル・焦点・光・暗室の構成要素ごとに展示されている。 半分以上はどこかで何回もみている作品である。 だから要素と作品の結びつきがよくわかる。 「写真のエステ」シリーズの中では直截的でわかりやすい。 というよりシリーズを欠かさずみているので力がついたのかな? *館サイト、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-1866.html ■ネコライオン- 岩合光昭写真展- ■ ネコとライオンの横顔の写真が入口に飾ってあったがこれがすべてを言い表しているようだ。 どちらも穏やかな顔である。 他は習性や日常の行動を写している。 ネコとライオンは食べること・寝ること・遊ぶこと・生殖のこと以外は考えていないのではないか? 雌は子育てが追加される。 これらは他者とのコミュニケーションが必須である。 しかし地球環境をみればこれで十分である。 人間は羽目を外してしまった。 *館サイト、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-1935.html

■アメリカン・ポップ・アート展-ジョン&キミコ・パワーズ・コレクション-

■ 国立新美術館、2013.8.7-10.21 ■ http://www.tbs.co.jp/american-pop-art2013/ ■ ファインバーグ夫妻、プライス夫妻そしてパワーズ夫妻。 後者二人は日本女性。 この展示会は自宅に飾られていた作品というから驚きの連続です。 画家一人に対して作品数が多いので深みが出ています。 最初はR・ラウシェンバーグから、次はJ・ジョーンズ・・。 軍配はJ・ジョーンズですか。 彼には戦略があります。 A・ウォーホルは見慣れた作品ですが、真面目に作品の前に立つと圧倒されます。 パワーズ夫妻と画家との関係も解説やビデオにあり作品を面白くしています。 やはりXX夫妻というのは二人分ですからパワーがあります。 この展示会もパワーが有りました。 今回はパワーズですか?

■寺山修司展「ノック」

■ワタリウム美術館,2013.7.6-10.27 ■入口で「ノック」上演の市街図をもらうの。 住民票は不要。 館の入場料は必要よ。 初めて「ノック」の概要を知ったわ。 写真とビデオだけどね。 「青猫化粧館」「便所のマリア」「銭湯における男事件」は戦後日本生活風景の極端化。 「ヒューマンボクシング」や「闇の東京遊覧バス」は観客が出演者よ。 そして「家族中継」や「ノックする招待状」は一般市民にまで拡張していく。 「書簡演劇」はビデオだけだと分かり難い。 学生運動も終息した1975年は時代の転換点ね。 ここまではノックが身近な時代だった。 この後はノックのない時代に入っていく。 でも寺山は人々の心の扉をノックし続けながら駆け抜けていく・・。 展示内容は寺山修司の経歴、実験映画、演劇実験室の三部構成だけど詰め込み過ぎだわ。 気に入った歌は「列車にて遠く見ている向日葵は少年の振る帽子のごとし」(1957年)。 「ノック」とは違う世界にみえる。 *美術館、 http://watarium.co.jp/exhibition/1307terayama/index.html

■<遊ぶ>シュルレアリスム

■損保ジャパン東郷青児美術館、2013.7.9-8.25 ■ http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index_shuru.html ■ 会場のあっちこっちに「あなたもシュルレアリスト」がある。 夏休みの子供向けワークショップである。 「リレー」「オブジェ」「コラージュ」「デカルコマニー」「フロッタージュ」。 これだけ作れば立派なシュルレアリストになれる。 出品作品は200点。 多くは国内美術館から集めたものである。 ダリの2枚の油絵は初めてだ。 岡上淑子の7作品は気に入った。 意味と無意味の境界線を漂っている感じだ。 しかも明確で強さがある。 意識を解放してくれる強さである。