■蓮杖-没後百年日本写真の開拓者下岡蓮杖-  ■黒部と槍-冠松次郎と穂苅三寿雄  ■APAアワード2014

■東京都写真美術館,2014.3.4-5.6
□蓮杖-没後百年日本写真の開拓者下岡蓮杖- 
蓮杖は写真に出会った時「絵画の代わりになる」と言っています。 しかし晩年に再び絵師に戻っています。 絵師に戻った理由がわかりません。 そしてナゼ写真師になったのか? これも本当の理由がわからない展示でした。
開拓者という言葉を使っていますが時代に乗った人でしょう。 時代の流れに乗れる人はそれなりの才能が必要です。
彼の作品から明治時代初期の人々が何をして何を考えていたのか想像できます。 侍や僧侶、飛脚や甘酒売などの商人、三味線や書の稽古などなどからです。 開拓者ではなく彼の目を通して生きた時代をみることの方が面白い展示会でした。
黒部と槍-冠松次郎と穂苅三寿雄-
山岳写真は特別です。 単なる風景とは違います。 当時は重たい写真機を持って写真をとりますから作品の質は良くありません。 登山経験者と未経験者の違いも大きいとおもいます。 未経験者は地球とか人生とか、まるごとのままの何かを想起します。
経験者特に北アルプス登山者は違うはずです。 靴や服装、五万分の1の地図、登山家の歩いている姿。 ディティールの一寸も漏らさず作品を舐めまわすでしょう。 山岳写真はやはり特別です。
□APAアワード
経済産業大臣賞はボーイング787です。 素人には分かり難い溶接やリベット跡、そして銀びかりの身体。 電子機器とは違った迫力があります。 経済産業大臣及びその家臣なら諸手を上げてこの作品を支持するはずです。
気に入ったのは制服姿の女子高校生が写っている作品です。 彼女らはボーイング787を簡単に越えることができます。