■深井隆、物語りの庭

■板橋区立美術館,2020.3.7-5.10
■深井隆の作品は西洋形而上学を彫刻で表現したようにみえる。 日本の美も微かに感じる。 この絶妙さがいい。 「・・彫刻の展示空間に物語が存在する・・」とチラシに書いている。 まさに彼の作品はその空間と一体化しないと物語が熟成しない。
でも、この美術館は相性が悪いようだ。 受付の騒めき、入ってくる外光が物語を遠ざける。 場内職員の動きも雑だ。 館内に日常が充満している。 奥の部屋は外から遮断されるが窮屈に感じる。 空間が狭すぎる。
「青空2020」の翼が伸び切っていない。 「王と王妃」の椅子たちの後空間に余裕が無い。 部屋を二つにした「月の庭」は一つが妥当だろう。
近づいていく時に、作品の後ろ空間から物語がやって来くるような出会い方をするからだ。 立ち止まって、周辺の空間と共に作品が物語を紡ぎだしていく。 小作品は暗めの部屋に、大作品は数を半分にすれば密な対話が近づくはずである。
*館サイト、https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4000017/4000024.html
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