■アルフレッド・シスレー展-印象派、空と水辺の風景画家-

■練馬区立美術館,2015.9.20-11.15
■シスレーは素人からみて親しみが持てる画家ですね。 これなら自分でも描けるのではないか? 友達になれそう、と思ってしまうからです。
面白かったのは印象派の「新しい水面」を河川工学から論じている章です。 つまり固定堰、ペルテュイ(可動堰?)、閘門の設置です。 水深を調整して洪水を防ぎ上り下りの船を走らせる為です。 これによりセーヌ川の流れが緩やかになり印象派好みの陽光の煌めきある水面が現れた。 ちょうど画家たちの生まれた頃から河川工事が始まったらしい。 彼らが筆を取る時期には新しい水面が見られたと言うことです。
付録として「東京の河川風景」が展示されていました。 なんと荒川とセーヌ川を比べている。 今の隅田川が昔の荒川の流れで、現在の荒川は新しく造った荒川放水路だったことを思い出しました。 実は小学校で習ったはず? 荒川・隅田川周辺と神田川・渋谷川・目黒川の河川に沿って低地になっている地図などもあり自然災害への対応を改めて確認しました。 今回はシスレ→新しい水面→セーヌ川工事→洪水防止→荒川工事という思いもよらない展開でした。 会場を後にしながら誰の展示会だったか一瞬思い出せませんでした。
*館サイト、https://neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=m10066