■いつか見た風景・北井一夫  ■第13回上野彦馬賞

■東京都写真美術館、2012.11.24-13.1.27
■日大芸術学部の中の散乱した靴やハンガーやトイレットペーパを撮っています。 若さからがむしゃらにシャッターを押しているのがわかります。 「いつか見た風景」でやっと余裕ができたようですね。 この頃が一番です。
しかし「村へ」はなにか漠然としています。 風景は平凡で人物構成も不安定です。 でも「境川の人々」は再び生き返りました。 理由は外部依頼のテーマだからです。 北井は強い目的を持たないと駄目になるタイプですね。 素人の匂いがする写真家です。
■第13回上野彦馬賞、2012.11.24-12.2
■序にみました。 プロ・アマ問わず中学生から39歳迄の作品です。 写真展では1枚勝負ですが、この賞は全て5枚単位。 これが新鮮です。 1枚だけをジックリみるのと5枚をまとめて見るのは違います。
前者は観る者自身が物語を組み立てるのですが、後者は5枚の写真が物語を作り上げます。 ですからより客観的になります。 これで写真自体の感動は分散してしまい残るのは物語だけです。 みた記憶は薄くなります。 しかし面白い展示方法でした。