■西洋絵画、どこから見るか? ■鴨治晃次展、不必要な物で全体が混乱しないように

*以下の□2展を観る.
□西洋絵画,どこから見るか?-ルネサンスから印象派まで-
■作家:ジョルジョーネ,フアン・サンチェス・コターン,ベルナルド・ベロッド,ユベール・ロベール,ベルナルディーノ・ルイーニ他
■国立西洋美術館,2025.3.11-6.8
■ゴールデンウィークの平日に行ったが混んでいました。 やはり上野は避けるべきでしたね。
「どこから見るか?」のヒントらしき言葉が貼ってある。 でも、軽く無視する。 それより「ルネサンスから印象派まで」、美術600年の流れを辿れたのが嬉しい。 ・・ゴシックが終わりイタリアルネサンスで幕が開き、北方ルネサンスも、そしてバロックへ、18世紀ロココを経て、新古典主義は?、19世紀印象派で幕が下りる・・。
先ずはゴシックのジョットから始まる。 ジョルジョーネと聞くと(いつも)林達夫の嵐の謎を思い出してしまう。 大好きな劇的画家エル・グレコも久しぶり。 スルバランで静物画を外したのは話題のサンチェス・コターンを目立たせる為でしょうか? 紐で吊るされた春キャベツ?が美味しそう。 そしてルーベンスよりヨルダーンスの「ソドムを去るロトとその家族」の輝く作品が気に入る。 静物画ではヘーム「果物籠のある静物」もです。 ユベール・ロベールは2枚。 よく知らないソローリャで締めるのはスペインに敬意を表したからでしょう。
サンディエゴ美術館の特長が出ていました。 西洋美術館が後ろでどっしり構え、サンディエゴ美術館を前面に出した展示です。 両館のコラボは成功したと言えます。
□鴨治晃次展,不必要なもので全体が混乱しないように
■作家:鴨治晃次
■ワタリウム美術館,2025.4.8-6.22
■銀座線で上野から乗り換え無しのため当館を選ぶ。 こちらは空いていました。 会場で出会った観客は5人もいない。 鴨治晃次(かもじこうじ)は初めて聞く画家です。 現在もポーランドを拠点に活動を続けているらしい。 彼は1959年にポーランドへ向かった。 驚くべき決心です。 戦争の傷跡がギラギラしていた頃ですから。
ポーランドといえばアンジェイ・ワイダとロマン・ポランスキーが先ずは浮かぶ。 同時代の「灰とダイヤモンド」と「水の中のナイフ」は今も場面が鮮明に甦ります。 チラシに「スタニスワフ・レム」の沼野充義トーク(予定)が載っていた。 そう、アンドレ・タルコフスキーの「惑星ソラリス」もポーランドに入れたい。 でも展示と映画の繋がりは無さそうです。
鴨治の作品はモノの無い時代からやってきたようにみえる。 「不必要な物」はいらない。 「何が正しい位置なのか、・・、探すことに戻ること、・・」と言っている。 モノと周辺の関係が大事なようです。 風や空気にも感覚を集中させる。 気配が詰まっている空間からモノの存在を追求しようとしている作家にみえました。