■ジョージ・ネルソン展、建築家・ライタ・デザイナ・教育者

■目黒美術館,2014.7.15-9.18
■具体的企業での行動や冷戦下のモスクワでの展示会など、政治・経済を取り込みながら創作しているから今みても古びていない。 彼の作品はCIの先取りであり、それはCSRやガバナンスにまで広がる。 会場には採算に合わない製品販売取り止めの話も多々ありリアルである。
このような広がりとは違うバウハウスを思い出してしまった。 20世紀前半のアメリカの豊かも背景にあるのだろう。 しかも彼はこの豊かさの影の部分をも問題視している。
椅子や机など素材や金具に古さがあるが彼の思想が伝わってくる。 1970年頃の日本車をみているようだ。 政治・経済を変革しようとする作品に込める思想も現代に直結だ。
彼は「(資本主義を背景にして)自然と人間の交わりから生まれる世界の全体がデザインである」と言っている。 これに通ずる世界観が作品にはある。
昨年、国新美館で開催した「カリフォルニアデザイン展」の西海岸的なデザインを覚えている。 今回は東海岸的でよりアメリカデザインの核心に迫っているようみえた。