■プラド美術館展-ベラスケスと絵画の栄光-

■国立西洋美術館,2018.2.24-5.27
■画家ベラスケスの好き嫌いを考えたことがない。 要は無関心だったのね。 「7点も観ることができるのは事件だ!」と及川光博が言っていたけど最初はピンと来なかった。 でもプラド美術館を入口にしてベラスケスとスペイン国王フェリペ4世との関係や当時の美術界がじわりと深まっていく内容で満足度100%の展示会だったわ。
「狩猟服姿のフェリペ4世」は描く描かれる二人の世界観までみえてくる。 7作品のあらゆる階層や物語の人々は人生が何であるか知っている姿・眼差しで描き込まれている。 それを現実世界として展開するから彼が宮廷で昇進していったのも分かる気がする。 ルーベンスとの出会いも二人の組織や外交への豊な感受性が一致した為だと思う。 もちカトリック改革もあるけどね。 そのルーベンスがティツィアーノの作品を目にした喜びも発見だった。
また抽象的だけど内容は分かり易い章立てだったわよ。 「知識」のギリシャとキリスト教、「神話」の異教徒と裸体、「風景」の疎遠と親近、「静物」のボデコンを含めた俗世界の愉しみ等々がスペイン美術に輪郭を与えていた。 今年初めての満足できる展示会だった。 これは事件かしら?
*日本スペイン外交関係樹立150周年記念展