■佐藤可士和展  ■DOMANI・明日展2021

■国立新美術館,2021.2.3-5.10
□佐藤可士和展
■佐藤可士和の活動を紹介する大規模展は初めてかしら? 赤地に白字の「ユニクロ」は傑作だと思う。 「伝えるべき情報を整理し本質を抽出し誰もが一目で理解できる・・」。 一文字の「T-POINT」やホンダの「N」、楽天「R」は情報をもっていないとイメージが固まっていかない。 とことん削ぎ落して境界にとどまろうとする冒険者かな?彼は。   
でも組織名や商品名の入っている作品は素直に入り易い。 例えば「NISSIN」や「MITUI&CO」・・、その中で「明治学院大学」はキリスト系人格教育のイメージがロゴに表れている。 「GU」は一文字延長の為かプラスαが欲しいところ。
デザイン構築を拡張した例として「三井物産アドバタイジング・プロジェクト」が掲げられる。 休息室に展示してあったが三井物産のグローバルでのブランドの確立と認知向上が目的なの。 ローカルでは「ふじようちえん」「団地未来ブロジェクト」などがイコン的ブランドで迫っている。 佐藤可士和のブランド創作活動は未来へ向かう力強いベクトルを持っているのが分かる。
□DOMANI・明日展2021
■「文化庁新進芸術家海外研修制度」を経験した新進作家10人の展示会。 絵画も映像も彫刻も新鮮さを大事にしているはずだし、そこを見たいところね。 実際、観客と近いところに作家も作品もある、特に映像は。
気に入った作品は大田黒衣美「the waiting dog」(2020年)。 飼い主が買物をしているあいだ、近くで待っている愛犬の様子を撮った作品なの。 近くを通る他人への態度や飼い主が戻ってきた時の動作で両者の関係がよく分かる。 20分弱を犬好きには飽きないで観てしまう。 青木麻衣子の写真は気に入ったけど展示方法に無理がでている。 緊張し過ぎかもね
彫刻では袴田京太朗の「軍神」。 軍服姿の像が横たわっている(といより倒れている)。 まるで1991年に倒壊されたレーニン像だわ。 威厳を持ちながら打倒されてしまったところに劇的さが漂っている。
好き嫌いに差がでる作品展だった。 これこそが新鮮といえる証しだと思う。