■山崎博、計画と偶然  ■長倉洋海の眼、地を這い未来へ駆ける  ■日本写真開拓使、総集編

■東京都写真美術館
■山崎博,2017.3.7-5.10
■「いい被写体を探して撮る」から「被写体を選ばずに撮る」は偶然から必然への移行とも言える。 20世紀が持っていた写真の謎を形あるものへと探求した形跡が感じられる。 計画から必然は過程だがそこに偶然が発生する。 この偶然を別の言葉では芸術と言うのかもしれない。 偶然から発生した偶然は芸術とは言えない。
より遡って作者の天井桟敷や黒テント、天使館や大駱駝艦の身近な存在は写真を忘れることができた時代だ。 写真を忘れない計画の時代と対になっていて面白い。  
*館サイト、https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2574.html
■長倉洋海の眼,2017.3.25-5.14
■実在の人物に焦点を当て続けるところに引き込む力の源泉がある。 最初の一枚から最後の一枚まで物語の頁をめくっていくようだ。 指導者スマードの和平交渉失敗など手に汗を握る場面も多い。 エルサルバドル、アフガニスタン、南アフリカ、コソボ、アマゾン・・。 作者と主人公の二つの視線が重なり離れたりすることで作品の広さと深さを出している。
*館サイト、https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2614.html
■夜明けまえ知られざる日本写真開拓使,2017.3.7-5.7
■内田九一の「新橋駅」は初めて見た。 今も実物大の駅舎が残っているので比較ができる。 1872年当時の駅舎周辺は何もない。 今の電通ビル方向から撮っているが新橋駅方向に日本家屋が少しみえるだけだ。
今回は総集編である。 いつも来たついでに立ち寄っていたが写真技術などの知識は増えた感じだ。 しかし写真史は素人には分かり難い。 映画と違って初期は作者が不在だからだろう。
「日本写真開拓史・北海道東北編」(2013年)
*館サイト、https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2576.html