■あえかなる部屋-内藤礼と、光たち-

■監督:中村佑子(*1),出演:内藤礼
■イメージフォーラム,2015.9.19-
■内藤礼の作品の中に入り、生まれ繋がり死んでいくことを語りあう映画なの。 作品は豊島美術館「母型」。 写真では見ていたけど水が湧き水滴になって池に注いでいるとは知らなかった。 緊張と弛緩があり作者の緻密な美学がみえる。
内藤礼は画面に登場しない。 監督との遣り取りは文字だけなの。 量子力学における観測問題と同じで彼が登場すると作品に影響を与えてしまうからよ。 ほんとうは恥ずかしがり屋なのかもしれない。
ということで監督は困ってしまい(?)市井の女性たちを登場させる。 彼女たちは他者を感じること、寄り添うこと、離れていくことを語り始める。 湧き水が池に向かっていく水滴のような人たちだった。 どこか宗教をも感じさせる。 出来上がったこの映画の感想を内藤礼に聞くと、「大事なものが無くなってしまうから10年後に語ろう・・」。 2015年作品。
*1、「はじまりの記憶」(2012年)
*作品サイト、http://aekanaru-movie.com/