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■今津景、タナ・アイル ■紙の上の芸術 ■福本健一郎

*以下の□3展を観る. ■東京オペラシティアートギャラリー,2025.1.11-3.23 □今津景 Imazu Kei,タナ・アイル ■インドネシアで活躍している今津景の展示会です。 多くの絵画は同国の歴史・文化を扱っている。 旧日本軍を題材にしたものもある。 でも床に展示されている作品は医学的な題材のようで違和感がある。 資料を読むとマラリア原虫と蚊と人間の血液を通しての循環を描いているようです。 次にシドアルジョの泥火山に焦点を当てている。 ガスで充満した泥が噴出し住民の生活は破壊された。 エビ養殖の映像を見たがこの環境では育たないでしょう。 作者は環境問題を取り込んでいるのが分かります。 またジャワ島の出産風習の体験が語られ、セラム島に伝わるハイヌウェレ神話へと続く。 絵画や彫刻はこれらを元に描いているらしい? 会場出口には汚染されたチタルム川で釣れる淡水魚らしき油絵が数十枚並んでいる。 汚水たれ流しの中での住民生活が想像できます。 副題のタナは土、アイルは水を指す。 美術展だが環境汚染が前面にでていて、現代インドネシアの全体像が見える展示会でした。 ところで写真をコンピュータ処理してキャンパスに描く方法を作者はとっているらしい。 なかなか深みがあります。 *美術館、 https://www.operacity.jp/ag/exh282/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、今津景 ・・ 検索結果は2展 . □紙の上の芸術,収蔵品展082寺田コレクションより ■ざっと目を通す。 *美術館、 https://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=308 □福本健一郎 Fukumoto kenichiro ■もこもこした抽象画だが配色が抜群で楽しい、しかも心が落ち着く。 至福の時空が訪れます。 気に入りました。 作者はインドネシアの原生林で共感の世界を得たらしい。 今日はインドネシア尽くしでした。 *美術館、 https://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=309

■須田悦弘

■作家:須田悦弘 SUDA・YOSHIHIRO ■渋谷区立松涛美術館,2024.11.30-25.2.2 ■須田悦弘の作品は過去に何回か見ている。 その多くが記憶に残っています。 壁や床にさりげなく花が咲いている・・。 都内では25年ぶりの個展のようです。 最初に目にした「バラ」(2024年)は素晴らしい。 木彫ですが本物と見間違えてしまう。 薔薇は一つの到達点といえる。 気に入ったのは「スルメ」(1988年)です。 学生時代の作品で干物だが生命の跡が残っている。 ニッカウィスキーやアサヒ十六茶の原画が展示されていた。 これは初めてです。 草よりも花のほうが気に入りました。 草はリアル感が劣る。 微妙に違う。 この美術館が持っている照明や温度・湿度の独特な雰囲気と合わない。 お互いの生命観が相殺されてしまうからでしょう。 無機質な現代空間の中で、ふと偶然に出会った時の感動が無い。 リアルとは全体で感じ取るからです。 いつもは静かな中庭の噴水が動いていましたね。 照明もある。 今日の館は全開です。 須田作品との出会いを演出していたが、これも悪くはありません。 またどこかで、さりげなく出会うことを楽しみにしています。 *美術館、 https://shoto-museum.jp/exhibitions/206suda/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、須田悦弘 ・・ 検索結果は3展 .

■TODA BUILDING

■設計・施工:戸田建設株式会社 ■開業,2024.11 ■作家:小野澤峻,野田幸江,毛利悠子,持田敦子,キュレーター:飯田志保子 ■アーティゾン美術館の隣に昨年11月に開業した戸田建設本社を早速見学しました。 美術館を含めた芸術文化拠点を作り上げるのが目玉のようです。 1階から6階に文化施設が入る。 エントランスには持田敦子の「Steps」が展示されている。 階段が空中に浮かんでいて楽しい。 2階には野田幸江、毛利悠子、小野澤峻の作品群が並ぶ。 毛利悠子の作品は(美術館展示より)気に入りました。 3階4階は未だ閑散としている。 6階は「「鬼滅の刃」柱展」が開催中だったが、ここは遠慮しました。 8階から12階までが戸田建設本社、13階から27階はテナントオフィスだが2階エントランスの掲示をみても未だ戸田建設以外の入居は無いようです。 賑やかさが来るのは今年後半からでしょう。 建物の外観は今様ですが内部は暗い、そして重たい。 本社のため重厚さを出したい? 芸術文化拠点ならもっと明るくしてもよい。 調整はこれからですね。 アーティゾン美術館より柔軟性を持っているようにみえます。 *TODA BUILDING、 https://www.todabuilding.com/

■毛利悠子、ピュシスについて ■ひとを描く ■石橋財団コレクション選

■アーティゾン美術館,2024.11.2-25.2.9 *以下の□3展を観る. □毛利悠子,ピュシスについて ■作家:毛利悠子 ■機械を使った作品が多い。 複写機やラジオ、モーターなどの部品を使った手作りもある。 作品がときどき動き出す・・。 多くはガラクタにみえる。 ツマラナイ理由は古くなった機械や部品の形や機能をそのまま使っているからでしょう。 20世紀を眺めている感覚です。 生物との関連も無い。 ギリシャ語の「ピュシス」を論じている。 これとの関係もよく分からないが、西欧根幹にある機械的な生成・変化・消滅の考え方が作品に現れているようにみえました。 *美術館、 https://www.artizon.museum/exhibition/detail/575 □ひとを描く ■作家:藤島武二,長谷川路可,エドワード・ドガ他 ■「古代ギリシャでは人の影を描いていた・・」。 これは初耳でした。 つまりシルエットです。 黒像式の土器をみるとナルホド納得です。 章「古代ローマ」では長谷川路可のフレスコ画が目に入る。 ポンペイ壁画の模写らしい。 当時の空気まで伝わってくる。 イタリアの色です。 章「画家とモデル」でも初耳が続く。 初めモデルは男だった。 18世紀中頃に衣を着た女性が認められ、19世紀後半に裸体が解禁になった。 章「肖像画」ではルノワールが注文で、ドガは注文ではなく親しい人を描いたようです。 また「自画像」は肖像画の一つである。 言われてみればその通りですが・・。 *美術館、 https://www.artizon.museum/exhibition/detail/576 □石橋財団コレクション展,特集コーナー展示「マティスのアトリエ」 ■作家:アンリ・マティス,ヴァシリー・カンディンスキー,松本俊介ほか ■19世紀末から20世紀のフランス・日本を中心とした展示です。 途中30点弱のマティスが並べられている。 当館所蔵をまとめて観ることができるのは嬉しい。 *美術館、 https://www.artizon.museum/exhibition/detail/577