■ミロ展

■作家:ジュアン・ミロ
■東京都美術館,2025.3.1-7.6
■「若きミロ、芸術への決意」の章は観応えがありました。 この章の12作品だけでも上野へ来た甲斐がある。 すべてが初めての油彩です。 抽象画以前の作品をみると作家の深層が分かる。 同時期の横浜美術館所蔵「花と蝶」も好きな一点です。
ミロはなぜ抽象画へ移行したのか? 同世代の詩人や文学者に強く影響されたようです。 パリへ行き、内戦と戦争に出会い、その後も試行錯誤を続けていく。 たいへんな行動家ですね。
ミロの抽象画は楽しいが、しかし身体へ届かない。 カンディンスキーを観た時に起こる脳味噌への衝撃力が弱い。 ビリビリと脳が震え肉体が喜ぶ感覚がやって来ないのです。
絵画と詩を如何に繋げるか? 言語世界に、それが指示する現実世界に、ミロは捕まってしまったのではないでしょうか?