■ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ ■硲伊之助

*下記の□2展示を観る.
■アーティゾン美術館,2025.3.1-6.1
□ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ
■ゾフィは記憶にない、ジャンの彫刻などは何度か観ていたが。 アルプ夫妻としては初めてです。 それはゾフィの直線とアルプの曲線と言ってよい。 ゾフィの直線は知的です。 初期の「構成シリーズ」(1910年代後半)や「鹿王の人形」(1918年)でもそれが分かる。 比べてアルプの曲線には自然的直感が含まれているかな?
アルプはゾフィに感化されたようにみえる。 「名前のない詩」(1941年)など、二人のコラボは成功していますね。
ゾフィの死後、ジャンは「具体芸術」を述べている。 自然は抽象化しない、つまり具体だと。 ゾフィを再解釈しながら彼は素直に自身を肯定している。
展示は1886年-1918,1919-29,1930-43,1943-1966の4章構成だが、背景には多彩で濃密な芸術動向が蠢いている。 二人は激動の時代を生きたが控えめにみえます。 ところで、章解説は長い文章だが分かり易かった。
□硲伊之助 はざまいのすけ
■おもっていた以上の規模でした。 作品数は100点前後、硲だけでも60数点が展示されている。 彼の全体像を知ることができました。 教鞭を執り、編集や翻訳をおこない、そして美術展の交渉に飛び回る。 活動的な人物です。 何人かの恋人の絵をみてもそれが分かる。 特にマチス展、ピカソ展などを戦後間もなく日本で開催した力量は大したものです。 自身の油絵は20世紀前後ヨーロッパからもろに影響を受けているが並みです。 晩年の陶芸はヴァルール(色価)とハーモニー(色彩調和)を日本美術に適用するために勤しんだのでしょうか? 今日はアルプ夫妻と硲の3人物をじっくりと堪能しました。