■青木繁展

■ブリジストン美術館、2011.7.9-9.4
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/
■「海の幸」は大画面だとおもってたの。 小さくて少しがっかり。 でも画中に福田たねの顔を描いた途端、絵画として神話として完成したのね。 久留米藩士の出だけあって弱いところは人に見せないのかしら。 最後の自画像を除いてこの性格が出ているわ。
父の事業の失敗で姉と弟を養うことや、友人にカネを借りることも蛋白にみえてしまうほどよ。 パレットと三脚をみると当時の生活が分かる気がする。 「それから」の代助にも気に入られるなんて、繁と代助は似たもの同士だと漱石も見ていたのね。
黒田清輝への反発と尊敬も面白かった。 「海の幸」しか知らなかった初心者を明治の画家の一人としてしっかりと印象付けた展示会だった。 チケット売り場が混んでいて並んだなんてこの館では初めてだったけど、これが物語っているわ。