■未来と芸術展ーAI,ロボット、都市、生命ー

■森美術館,2019.11.19-2020.3.29
□未来と芸術展
■衣食住の未来が半分以上を占めている。 この三つは身近なので作品に入りやすい。 しかもこの館が得意としているメタボリズムを全5章のうち2章も割いている。 マスターシティ、スマート・シティ、オーシャニクス・シティ、山水都市、ポロ・シティ・・。 環境問題はシビアになっているが、どれも1960年代メタボの延長にみえてしまう。 人口増加・食料不足への培養肉や昆虫などの食もそうだが、人間身体は衣食住に対して直ぐには変われない。 
しかし後半の2章はその身体変容に迫る。 義肢精密化や皮膚形成手術などは現在科学の延長として理解できるがDNAやホルモン操作による「欲望の機械」、「器官なき身体」にまで広がると混乱する。 「気分の建築」も同じ感じかな? 倫理問題も付いて回る。 テーマが入乱れて芸術との関係がみえない。
3Dプリンターやドローンの利用は具体的で説得力がある。 特に3Dプリンターの活躍の場は広い。 AIの展示は扱い難いのは確かだ。 NASAの火星移住が詳細に語られていたのが面白かった。 末期医療ロボットが患者の腕を撫でながら家族の代わりをする作品は現実に戻されたがこれもアリだろう。 未来を描く有名漫画も紹介されていてテンコ盛りだ。 美術展というより博物展に近い。 未来は手探り状態のようだ。 しかし未来は近い! 未来が迫っていると感じた。
*館サイト、https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/future_art/index.html
□横溝静+松川朋奈-私たちが生きる,それぞれの時間
■音楽はショパン「ワルツ10番」、それと数枚の写真で構成されている。 「未来と芸術展」で混乱した心身を整えてくれた。
*MAMコレクション011作品
*館サイト、https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamcollection011/index.html
□タラ・マダニ
■イラン出身タラ・マダニの風刺画や風刺アニメの作品展。 ザッとみる。
*MAMプロジェクト027作品
*館サイト、https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamproject027/index.html
□チェン・ジエレン(陳界仁)
■台湾出身チェン・ジエレンの映像作品。 労働者や移民を撮っている社会派らしい。 上映時間が長いのでキャンセル。
*MAMスクリーン012作品
*館サイト、https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamscreen012/index.html