■ダムタイプ|アクション+リフレクション  ■ミナ ペルホネン/皆川明 つづく  ■仮の声、新しい影

*以下の□3展を観る.
■東京現代美術館,2019.11.16-2020.2.16
□ダムタイプ|アクション+リフレクション
■アーカイブ展に近いが再編集した新作も展示されている。 たとえば25台のレコード盤を再作した「Playback」(2018年)が先ずは目に入る。 この1989年公演時の記録ビデオも上演している。 次の「MEMORANDUM OR VOYAGE」(2014年)は「OR」(1997年)「MEMORANDUM」(1999年)「VOYAGE」(2002年)を基にした作品なの。 大画面は迫力が違うわね。
今回上映の記録ビデオは約10本(80分)。 この中で「S/N」(1994年)が一番完成度が高いかな? その前の「pH」(1990年)でふっ切れた感じが出ている。 それまではダンスとマルチメディアがすれ違っているからよ。 パフォーマーたちに日常が見えてしまっている。 でも「pH」で肉体を解放したと思う。 「S/N」ではその肉体をマルチメディアに同期させることができた。 肉体のデジタル化ね。 ここに作者たちの言う「愛」「性」「死」「カネ」・・が舞台上に現れてくる。 
ダムタイプのパフォーマンスは二つに分類されると思う。 一つはダンス、装置や道具で舞台が狭いとマイムや演劇に近づいていく。 「pH」と「S/N」は両者を融合できたことも面白い理由かもしれない。
ところで映像作品の展示方法を検討する時期だとおもう。 チケットを購入したら期日限定でスマホで観られたら便利よね。 展示会場内だけでもこのようにできたら嬉しいわ。
*美術館、https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/dumb-type-actions-reflections/
□ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
■皆川明の全貌がみえる。 8章で構成された会場はどれも個性が出ている。 「特別な日常服」をコンセプトにしている衣装ブランド「ミナ ペルホネン」。 「100年つづくブランドを」の思いでファッション活動を始めたらしい。 女性用が多いから彼のブランド名を知っている人は偏っているはず。 現在は家具や食器の制作、映像や舞台などで活躍を広げている。 なんと建築作品「シェルハウス」の実物まで展示されているの。
また「書を捨てよ街へでよう」(藤田貴大演出,2015年)の舞台衣装も担当していた。 その時のチラシには彼の刺繍柄タンバリンが印刷されているわよ。 朝日新聞「日曜に想う」の挿絵を今も執筆中。 「ミナ」とはフィンランド語で「私」、「ペルホネン」は「蝶」を意味する。 ファッションに興味がある人は必見ね。
*美術館、https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/minagawa-akira-tsuzuku/
□MOTアニュアル2019Echo after Echo:仮の声,新しい影
■作家:加納俊輔,追鉄平,上田良,PUGMENT,三宅砂織,吉増剛造,鈴木余位,KOMAKUS,鈴木ヒラク
■三宅砂沙織以外は初めての作家達だわ。 素材も対象もバラエティのある作品が続いて楽しい。 「・・世界の残響を聴きながら、それらを増幅させる。 ・・他者と共振し響き渡る空間を生み出す。」  「手を動かすこと、作ること」が大事だと思う。 それが伝わってくる空間だった。 その空間で観客も<観ること>で解放される。
*美術館、https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-annual-2019/