■岸田劉生展、この世の宝なるものを目指し

■東京ステーションギャラリー,2019.8.31-10.20
■岸田劉生の大規模展は「岸田吟香・劉生・麗子」(2014年)以来である。 ・・思っていた以上の作品数が嬉しい。 この為か、作品間の距離が狭いので独特のリズムでみていくことになる。 しかも時系列に沿っているから素直に入って行ける。
キリスト教入信時代の絵は初めてかな? やはり白樺派の影響は絶大だ。 首狩り劉生が前面に出ていて痛快! 「色で画くから画けない、捨てれば画ける」風景画はイマイチかな。 1920年前後は言うことなし。 しかし東洋美の何に目覚めたのか?
終章「新しい余の道へ」は観たことのない作品が並ぶ。 「冬瓜図」(1926年)は魂が抜け、風景画も印象派風に戻ってしまった。 絵画への探求心が弱っているようだ。 「この世の宝なるものを目指し」たが、やはり遊び過ぎだろう? 父吟香から遊びの程度を習う時期がなかった。 劉生の人生は横に置いても、150点以上の作品を観ることができて満足。
*没後90年記念
*館サイト、http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201908_kishida.html