■円山応挙から近代京都画壇へ

■東京芸術大学大学美術館,2019.8.3-9.29
■「写生図鑑」をみていると草花への親しみが感じられます。 精緻ではないが素朴な自然の匂いがする。 「形を写し、気を写すべし」が聞こえてきます。 「鵜飼図」の暗闇にかがり火で照らし出される空間は一昔前のものですね。 明かりも写生に徹していたことが分かります。 川合玉堂の「鵜飼」と比較できる。 光の写生例ですが。 ところで子犬は遊びたいだけです。 その時の応挙もです。
大作になると写実と写意が自然のごとく溶解していく。 「松に孔雀図」「保津川図」は写生が昇華されて見えない。 竹内栖鳳「保津川図」は自然の匂いが微かにします。 「遊君図」と上村松園「楚蓮香之図」の違いも面白い。 松園の美は現代に近づいている。
弟子たちと比較、近代画壇と比較、・・タイトルの如く円山応挙を堪能し比較しながら繋がりを観ていく展示会でした。
*館サイト、https://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2019/maruyama-shijo/maruyama-shijo_ja.htm