■ウィリアム・モリスと英国の壁紙展ー美しい生活をもとめてー

■そごう美術館,2019.4.20-6.2
■百数十点の壁紙がずらりと並んでいると目移りがしてしまう。 生物を抽象化しても、そこに生命が宿っているかどうかが決め手だと思う。 抽象の中に生き生きとした感触が持てれば最高の壁紙かな。 「自然をありのままに再現する」(ラスキン)を一度解体したモリスの作品では特にネ。 
モリス以前、モリス時代、モリス以後の3章で構成されているからモリスと他デザイナーとの違いが分かって面白い展示になっている。 もちろんモリス作品の中でも優劣をつけてしまうわね。
モリス以前の英国壁紙は質・量ともに劣っていたらしい。 産業革命の急成長も悪質の一因よ。 そのため多くはフランスからの輸入に頼っていたの。 そこでモリスが登場し盛り上げた。 でもモリス以降の作品もパッとしない。 娘メイ・モリスも親の七光りかな? 19世紀末はモリスが残した思想や運動が優先した時代のようね。
映像は二本あったが特にクリサンセソム(きく)とアカンサス(あざみ)の作成過程ビデオは<壁紙を見る力>を付けさせてくれた。 また「金唐革紙」もじっくり見て質感を海馬に記憶したわよ。
*サンダーソン社(英国壁紙会社)所蔵作品展
*館サイト、https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/19/william_morris/